卓球の技術の中で最も難しいと言われるのが、レシーブです。そういわれる理由は、一瞬で様々なことを判断しなければいけないから。
一瞬のうちに相手サーブの「回転」「コース」「スピード」を判断して、行動に移さなければいけません。言葉にするだけでも難易度の高い作業であることが伝わってきますよね。
そんなレシーブに苦手意識を持っている方は多いです。かくいう私もそうです笑。というわけで、自分の備忘録も兼ねてレシーブのコツをまとめてみました。
【関連】卓球 回転の返し方【各回転系サーブに対するレシーブ】
卓球レシーブが苦手な方へ【9個のコツ】
①体・ラケットを近づけて打つ
台上処理、主にツッツキでレシーブする時に有効なコツです。
ボールに身体・ラケットを近づけて打つことで、レシーブミスを減らして安定させることができます。上体を倒して、ラケットを打球点の近くにスタンバイ。そのまま打ちます。
近くから打つことでインパクトが弱くなるため、ボールの飛びすぎを防ぐことができます。レシーブでボールが浮くという方は、ぜひ体・ラケットを近づけて打つことを心がけてみてください。
ボールに近づけるためには、しっかりと足で踏み込むのがコツ。卓球台の下に入り込むようにグッと踏み込むことで体をボールに近づけることができます。
②タッチを短くして打つ
ボールタッチを短くすることでレシーブが安定します。タッチを短くするということは、ボールとラケットの接触時間を短くするということです。
ボールとラケットの接触時間を短くすることで、相手サーブの回転の影響を少なくすることができます。そのため、レシーブの安定化につながります。
例えば、回転量の多い下回転サーブに対してタッチが長いと回転の影響をもろに受けてネットミスにつながります。逆に回転量が少なくナックル気味のサーブに対してタッチが長いと浮いたボールになってしまいます。
短いタッチで打つコツは、「前腕でポンと弾くように打球」。食い込ませて打つのではなく、”弾く”のがコツです。
以下の記事では、回転の影響を受けにくいラバーの選び方、おすすめのラバー6選を紹介しています。興味があればぜひチェックしてみてください。
③高速スイング
スイングスピードを上げて速くこすることによって、ボールが引っ張られて相手のサーブの回転の影響を打ち消して上書きすることができます。
高速スイングでレシーブすると、相手の回転の影響を受けにくいのでレシーブミスが減り安定します。
どんなに強烈な回転がかかっていたとしても、スイングスピードが速ければ回転の影響は少なくなります。相手の回転に負けないくらい速いスイングを心がけましょう。
回転の見極めを苦手だと思っている方は、回転の見極め方の記事をチェックしてみてください。
④相手のラケットと同じ角度にする
相手のサーブの回転が分からない。そんな時には、相手のラケットと自分のラケットを同じ角度にしてレシーブしてみてください。
例えば、下回転サーブであれば打球面は上を向いています。レシーブする側も打球面を上に向けて返球します(ツッツキになる)。
上回転サーブであれば打球面は下を向いています。レシーブする側も打球面を下に向けて返球します。
横回転サーブであれば打球面は横を向いています。レシーブする側も打球面を同じ方向に横に向けて返球します。
鏡のように、相手のラケットと自分のラケットの角度を合わせることによって回転に対処することができます。サーブの回転に迷ったら使ってみてください。
フェイクモーションに苦手意識を持っている人も少なくないですが、インパクトの瞬間に意識を集中することで、フェイクには騙されにくくなります。
⑤低い姿勢で構える
姿勢を低く保つことで、出だしの速度を速くすることができます。また、ボールとの距離が近づくのでより正確にラケットで捉えることができるようになります。
レシーブで最重要と言われるのは、出だしの速さ。反応が一瞬でも遅れると、レシーブをミスする確率が高くなります。回転を判断する余裕もなくなり、振り遅れる危険性も上がります。
少しでも早く動き、余裕をもってレシーブの打球点に入る。そうすることで、ミスは減り、レシーブは安定します。リオ五輪のメダリストである水谷選手も、姿勢を低く保つことの重要性についてコメントされています。
もう一つは姿勢です。絶対に体勢を高くしないことです。
卓球というのは左右に反復横跳びする動きと足を一歩前後にだす動きがほとんどです。
それらを素早く行うためには姿勢が低い(膝をとにかく曲げる)ことが絶対条件です。
左右の足の幅を広げると自然に体勢が低くなりますのでやってみてください。
⑥足から動かす
レシーブを安定化させるコツは、「足から動かす」。レシーブが苦手という方の中には、手から動かしてレシーブしようとしている傾向が多いように思います。
手から動かしてしまうと、腕を伸ばした状態で手だけで打つことにつながります。この打ち方では、レシーブは不安定になります。
手よりも、まずは足から動かす。足を動かしてしっかりと自分の打ちやすい位置まで移動する。そうすることで、体全体で打つことにつながり、レシーブはより安定します。
私もそうだったのですが、卓球を始めたばかりの初心者の方は手から動いてしまいがち。これがレシーブミスを生み出し、苦手意識に繋がっています。練習の度に「足から」「足から」と繰り返し意識することで、無意識のうちに足から動けるようになります。
⑦台から少し距離をとる
レシーブミスが多いという方は、立ち位置を考え直してみるのも一つの手です。台に近すぎると、より速い反応速度を求められます。回転を判断するのも、返球するのも速くなければレシーブすることはできません。
そこで、台から半歩下がってみる。たった半歩でもかなり余裕が生まれます。回転の判断もしやすくなり、打球時の体勢も整えやすくなります。
余裕が生まれることで、レシーブから攻撃をしかけやすくもなります。回り込んでドライブもしやすくなります。
ただ、ショートサーブには注意が必要。台から離れすぎると、短めのサーブへの対応が遅れます。そのあたりの兼ね合いを考えて、レシーブ時の立ち位置を色々と微調整してみてください。
レシーブ時の立ち位置については、以下の記事で詳しくまとめています。良かったらチェックしてみてください。
⑧相手のスイングの逆方向を狙う
特に横回転系のサーブに対して有効なレシーブ方法です。ボールは相手がスイングした方向に飛んでいきます。
横回転サーブの場合は、バウンド時やレシーブのインパクト時に相手のスイング方向と同じ方向に逃げるように飛んでいきます。
例えば、バックサーブの左横下回転はサーブする側から見てスイング方向が右側になります。そのままレシーブすると、ボールは右方向に飛んで行ってしまいます。
相手スイングと逆方向を狙うことで、レシーブが台に入りやすくなります。横回転サーブに対して「あれ?どっちに曲がるんだっけ?」と悩んだ時にはこの方法を取ってみてください。
「機械的に体にインプットする」というのも、レシーブの苦手意識を克服するコツだといえるかもしれません。
⑨とにかくミドルを狙う
これも横回転系をレシーブする時のコツです。横回転サーブに対して普通にラケットを当てると、回転の影響を受けてボールが左右に弾かれてしまいます。アウトミスにつながります。
どんな横回転に対しても、とにかく真ん中・ミドルを狙ってレシーブする。そすることによって、回転の影響を受けても台に入りやすくなります。右方向・左方向に弾かれても、ミドルを狙っていることでギリギリ台に入る可能性が高くなります。
このコツは、WRMのぐっちぃさんが卓球知恵袋の動画で紹介されていたコツです。ぐっちぃさん曰く「真ん中レシーブ作戦」。シンプルな作戦ですが、回転が分からない時には有効な方法だといえます。
これで横回転サーブに対する苦手意識も無くなるかもしれません。
真ん中レシーブ作戦は回転を食らっても
台のどこかに入ってしまう
ぐっちぃさんの動画を下に掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。
【関連】卓球 回転の返し方【各回転系サーブに対するレシーブ】
卓球レシーブの最大のコツは、躊躇しないこと
卓球におけるレシーブの苦手を克服するためのコツを9個紹介してきました。どれも大事なコツですが、最も大事なコツは別にあります。最も大事なコツとは、「躊躇しないこと」。
レシーブする時には、様々なことを一瞬で判断しなくてはいけません。サーブの「回転」「コース」「スピード」、そしてどのように返球するか。全てを一瞬のうちに判断して行動する必要があります。
判断するスピードが遅くなるほど、レシーブミスの確率は高まります。
躊躇するヒマなどありません。一瞬でも躊躇すると、その分レシーブの余裕が減ります。つまり、ミスにつながります。レシーブする時は、躊躇せずに「これだ!」と決めて行動しましょう。
回転を見極めきれずに、「え?これって下回転?それともナックル?どっち!?」と悩むことがあるかもしれません。そんな時にも、「自信はないけど、たぶん下回転!!」と決めましょう。
結果的にナックルだった時はミスにつながりますが、2分の1の確率でレシーブは成功します。躊躇しながら中途半端に打ってしまった場合は、ナックルがきても下回転がきてもミスしてしまう可能性が高いです。
レシーブする時は、躊躇せずに打ちましょう。「躊躇しない」。これがレシーブ苦手を克服する最大のコツです。
そこで役に立つのが、④⑧⑨で紹介したようなコツ。思考するのではなく、反射で体が動くように機械的にインプットしておく。そうすることで、躊躇なく動くことができます。
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レシーブを100パーセント返すコツ【卓球知恵袋】
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水谷隼オフィシャルブログ