「ドライブが取れない・返せない」。そんな悩みを抱えている方は多いと思います。私もその中の一人です。
本記事では、「ドライブの返し方の基本」から「各種ドライブごとの返し方」までをまとめてみました。少しでも、ドライブ対策に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
【卓球ドライブ対策】返し方は2種類
ドライブの返し方は、主に2種類あります。「ブロック」と「ドライブ」です。この2種類を駆使して、ドライブ対策をとることになります。
①ブロックで返す
ドライブをブロックで返す方法は、より守備的な返し方になります。
ブロックとは、相手のドライブやスマッシュなどの攻撃的な打球に対して用いる打法です。その名の通り、ラケットを壁のようにして相手の打球を跳ね返します。
自分からスイングはせず、相手の打球の威力を利用して返球するのが特長です。そのため、相手の打球が早ければ早いほどブロックの威力も上がります。
ドライブは上回転がかかっているため、普通にラケットを当てるとボールは上に上がってしまいます。そのため、ブロックではラケットでボールを抑えるようにして返球することが求められます。
守備的なドライブ対策をしたい場合は、ブロックを選択してみてください。
②ドライブで返す
ドライブをドライブで返す方法は、より攻撃的な返し方になります。いわゆるカウンタードライブですね。世界で活躍するトップ選手は、ドライブを打ち合う応酬がよくみられます。
カウンタードライブは、ブロックと比べて難易度は高めです。相手の打球のコースや回転を瞬時に見極め、移動してドライブの体勢に入り、打つ。この動作を一瞬のうちにやらなくてはいけないからです。
また、インパクト時のラケットの角度もよりシビアに求められます。ブロックと違ってドライブは自分からスイングしていくため、打球のスピードが上がるのと同時にオーバーミスの危険性も上がるためです。
攻撃的なドライブ対策をしたい場合は、カウンタードライブを選択してみてください。
一方で、スピードの遅いループドライブに対してはカウンタードライブを打つこともありました。状況によって臨機応変に返し方を変えていくのが得策だと思います。
【ドライブの種類別】各返し方まとめ
ドライブには、いくつか種類があります。スピードの速いスピードドライブ、回転の強いループドライブ等々。以下では、各ドライブに対する返し方・対策をそれぞれ紹介します。
本記事で紹介するのは、「スピードドライブ」「ループドライブ」「パワードライブ」の3種類のドライブの返し方です。
スピードドライブの返し方
スピードドライブは、スピードに特化したドライブです。一般的なドライブは、スピードドライブに分類されることが多いです。
スピードドライブは球のスピードが速いので、ドライブで返すよりもブロックで返す方がおすすめです(※もちろん余裕があれば、カウンタードライブを狙うのもあり)。
スピードドライブを返す上で気を付けるポイントは、以下の三つ。
- 打球点を早くする
- ラケットを引かない
- ラケットの面を立てる
①打球点を早くする
一つ目のポイントは、「打球点を早くする」。
打球点は、体の前。そして頂点に上がりきる前でブロックするようにします。そうすることで、低くて鋭いブロックを打てるようになります。打球点が高くなるほど、対ドライブのブロックの難易度も上がります。
ドライブは上回転がかかっているため、ラケットを当てるとボールが上に跳ねる特徴を持っています。そのため、打球点が高いとブロックの弾道も高くなってしまうんですよね。
ブロックを高く返してしまうと、相手に連続でドライブを打たれてしまいます。自分の劣勢が続くという展開になってしまうわけですね。
そうならないために、打球点を早く低くする。そうすることで、低くて鋭いブロックを返すことができて攻勢にでることができます。
②ラケットを引かない
二つ目のポイントは、「ラケットを引かない」。
ラケットを引いてブロックしてしまうと、インパクトが遅れて打球点は高くなってしまいます。また、ブロックではなくカウンター気味になるので打球は安定しません。
ブロックで返球する時には、ラケットは極力動かしません。前で固定してドライブを待ちます。バックスイングはほぼ必要なく、ボールにラケットを当てるようなイメージでインパクトします。
振るというよりも押すというイメージですね。スピードドライブは威力が高いので、振らなくても十分速い球を返球することができます。
③ラケットの面を立てる
三つ目のポイントは、「ラケットの面を立てる」。
ラケットの面を立てることで、上に跳ねようとするボールを抑えやすくなり、ブロックは安定します。スピードドライブといえども、ボールには上回転がかかっています。
ラケットを横に傾けた状態だと、回転に負けてボールが上がってしまう危険性があります。それを防ぐためにも、ラケットは立ててブロック。これでスピードドライブの回転を抑えることができます。
参考になる動画
卓球知恵袋でお馴染みのWRM・やっすんさんのブロック解説動画です。どのようにブロックすれば、鉄壁のブロックとなるのか。ブロックの仕方をポイントに分けて紹介してくれています。
理論の解説と実践を繰り返してくれているので、かなり分かりやすいです。実は、本記事の上記内容もこの動画をかなり参考にさせてもらっています。参考というか、引用レベルです。
スピードドライブで攻撃されている時点で、自分は劣勢にあります。相手に攻撃させないために、コースをついたり、長い球を出さないように注意する必要があります。
ループドライブの返し方①「カウンターで返す」
一つ目のループドライブ対策「カウンターで返す」。
ループドライブは、回転に特化したドライブです。回転量は多く、球のスピードは遅いという特徴を持ちます。球のスピードが遅いため、スピードドライブと比べると少し余裕が生まれます。この余裕を利用してカウンタードライブを狙うことができます。
ループドライブをドライブで返すポイントは、「早い打球点を意識する」こと。
早い打球点を意識する
打球点を早くして、前陣でカウンタードライブ。早めに返すことで、相手に体勢を整えるヒマを与えません。速い球は出ませんが、相手の余裕を奪うことができます。
ボールが頂点に上がる前、バウンド直後をライジング気味に打ちます。面を下に向けて、ボールが飛び上がらないように注意が必要です。
ボールがオーバーしてしまいそうな場合は、ネット際に落とすような浅い球を意識することでミスを防ぐことができます。
参考になる動画
こちらもWRM・やっすんさんによる解説動画です。前陣・中陣・後陣それぞれのポジションでのカウンタードライブを打つ時のコツをポイントに分けて解説してくれています。
動画の内容をざっとまとめてみました。
- 前陣での早い打点を意識することで、相手に余裕を与えない
- 中陣・頂点でドライブを打つ時は、上から下へラケットを振り下ろすイメージで打つ
- 後陣でドライブを打つ時は、自分からしっかりと回転をかけるように打つ
スピードも遅いし、山なりに飛んでくるので、取れそうと思うんですが、取れない。回転量がすごいから、ボールが飛んでしまうんですよね。ループドライブの見た目に惑わされず、油断しないように返すことが大事です。
ループドライブの返し方②「ブロックで返す」
二つ目のループドライブ対策「ブロックで返す」。ループドライブをブロックで返す方法について紹介します。
ブロックの基本は低く返すことです。低くブロックできないと、次のボールも攻められてしまいます。自分の攻撃できる展開に持ち込むためにも、ブロックは低く返球できるようにする必要があります。
ループドライブに関しては、特に低く返すことに意識を向ける必要があります。ループドライブは、回転量が多いからです。
回転量の多いため、ボールが高く上がりやすくなります。そのため、なるべくボールを抑えて、なるべく低くブロックすることを心がける必要があります。
ループドライブを抑えるためのポイントは、以下の三つです。
- ヘッドを少し立てる
- フォアに来た場合「人差し指で抑える」
- バックに来た場合「親指で抑える」
- 打点を早くする
①ラケットを立てる
上でも紹介したポイントですね。ラケットの面を立てることで、ボールを押さえやすくなり、低く返しやすくなります。
②フォアに来た場合「人差し指で抑える」
フォアにボールが来た場合は、人差し指でラケットを支えてボールを抑えるようにします。
③バックに来た場合「親指で抑える」
バックにボールが来た場合は、親指でラケットを支えてボールを抑えるようにします。
④打球点を早くする
これも上で紹介したポイントですね。打球点を早く低くすることで、ブロックを低く返球しやすくなります。
参考になる動画
こちらもWRMのやっすんさんによる解説動画です。卓球知恵袋のドライブ関連の動画は、やっすんさんが担当することが多いようですね。
私はそうすることで、ループドライブが取れない状態を脱することができました。まずは返す。低くするのは返すことができてからです。
パワードライブの返し方
パワードライブは、スピードも速く、回転量も多い種類のドライブです。スピードドライブとループドライブの良いところを取り入れたような理想のドライブです。
強力なドライブなので、返す技術も難易度が高くなります。
パワードライブ対策には、ブロックがおすすめです。パワードライブをカウンタードライブで返球するのはかなり難易度が高いです。安全に返したい時はブロックを使います。
対パワードライブのブロックの注意点は以下の三つ。
- 面は被せ気味
- 体を引く
- 顎を上げないようにする
①面は被せ気味
ラケットの面は、下に向けて被せ気味にします。これは、強烈な回転への対策ですね。ボールを上から押さえつけるようにして、なるべく低く返すようにします。
②体を引く
インパクト時に、体を一瞬引く。そうすることで、強烈な回転と威力を少し吸収して逃がすことができます。
(※このポイントは、言葉では分かりにくいので下で掲載するWRMさんの動画をチェックしてみてください)
③顎を上げないようにする
インパクト時に、顎を上げないようにする。体を引くことで、自然と顎があがってしまうのですが、これを意識してこらえる。体がのけぞらず、前傾姿勢を保つことができます。
顎を上げずに姿勢を保つことで、ボールを抑え込む力を維持することができます。顎が上がってしまうと、同時にラケットの面も上向いてしまうのでボールが浮き上がってしまいます。
参考になる動画
例によって、WRMのやっすんさんの解説動画です。パワードライブ対策のブロックの仕方について説明してくれています。
実際にブロックしているところを見ることで、より理解を深めることができるはずです。
私の場合、試合時にドライブをミスしてしまった場合は「あれはパワードライブだから取れないのは仕方ない」と思うようにしていました。あまりおすすめはできませんが、「仕方ない」と考えることで気持ちの切り替えには役立ちました。
【まとめ】ドライブが取れない方へ
ドライブの返し方・各種ドライブの対策をまとめてきました。最後に、ドライブ対策をする上で一番重要なことを書きます。
ドライブ対策に限らず、卓球の技術全般に言えることですが、とにかく反復練習がドライブ対策になります。
上で紹介してきたような理論はもちろん大事です。ですが、実際に練習で実践して初めて理論は役に立ちます。理論を入れただけで満足してしまっては、ドライブを取れない状態はいつまでも続きます。
上で紹介したポイントを頭に入れて、とにかく練習を繰り返します。練習を繰り返すことで、回転量の見極めや、ラケットの角度、タイミングなどを徐々に掴めてくるようになります。
これらは、練習を重ねて経験値を積み重ねないと得られない部分です。
効率的に反復練習するには、多球練習がおすすめです。ループドライブに苦手意識を持っている方は、ループドライブの多球練習を重点的に行います。多球練習で感覚を掴めてきたら、次はより実践に近い練習を行います。
それらの段階を経て、ようやく実践で使える技術に昇華させることができます。