卓球のサーブには、様々な種類が存在します。「下回転」「上回転」「横回転」「ナックル(無回転)」などなど。それぞれの回転には、適切な返し方があります。
間違った返し方をしてしまうと、失点したり、相手のチャンスボールにつながってしまいます。
本記事では、各回転に対する適切な返し方・レシーブの方法をまとめています。返し方に悩んでいる方はぜひチェックしてみてください。
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卓球 回転の返し方まとめ
下回転
下回転がかかったボールに対して普通にラケットを当てると、ボールは下に落ちてしまいます。ネットミスに繋がります。
そんな下回転の返し方は、2種類あります。「ツッツキ(下回転)で返す」か「ドライブ(上回転)で返す」。下記では、それぞれの返し方を詳しく紹介します。
ツッツキで返す
ツッツキで返す方法は、守備的な返球だといえます。基本に忠実な返し方ですね。
そんなツッツキを打つ時のポイントは、短く低く返すこと。コースはフォア前がおすすめです。下回転サーブのコースはバック前に来ることが多いので、フォア前に返球することで意表をつくことができます。
また、より強い回転でツッツくこともポイントです。回転量が多いツッツキは、相手のサーブの回転にも負けないし、相手のミスを誘うこともできます。
ツッツキは守備的な返し方に思えますが、相手のミスを誘ったり、攻撃の起点にもなり得ます。
- フォア前を狙う
- バウンド直後を狙う(回転の影響が少ない)
- 姿勢を低くして、打球面に顔を近づける
- 回転量が多いほど良い
ドライブで返す
ドライブで返す方法は、ツッツキと比べると攻撃的な返球だといえます。
相手の下回転サーブが高かったり、長い場合は積極的にドライブを狙っていきましょう。レシーブでドライブを打てるようになると、その後の展開を自分でコントロールしやすくなります。
下回転サーブをドライブで返す時に大事になってくるのが、サーブの長さの見極めです。台上で2バンするような短いサーブだと、ドライブを打つことは難しくなります。逆に2バン目が台から出るような長いサーブだと、ドライブを打つチャンスだといえます。
サーブの長さをしっかりと見極めて、ドライブを打つか、ツッツキを打つかの判断をするようにしましょう。
もう一つ付け加えるなら、相手の下回転に負けない回転量のドライブを打つことを心がけましょう。相手の回転に負けてしまうと、ネットにかかってしまいます。
レシーブ時のドライブミスが目立つ方は、回転量多めのループ気味に打つようにすると、ミスが減って打球は安定します。
- サーブの長さを見極める(1バンか2バンか)
- 回転量多めのドライブを打つと、安定する
- 姿勢を低くする(ボールが良く見えて、ループドライブも打ちやすい)
フリックは難易度高め
ショートサーブに対する有効な攻撃方法として、フリックがあります。ですが、下回転サーブの返球に関しては、フリックはあまりおすすめできません。何故なら、フリックは回転の影響が大きくミスにつながりやすいからです。
フリックは、ラケットの面を立てて打つので下回転とは相性が悪いんです。「下回転サーブに対して、無理やりフリックで払う」というのは、初級者~中級者が陥りやすいミスパターンの一つだといえます。
上回転
上回転のサーブに対して、立てたラケットを当てるとボールは上に跳ねてしまいます。そのままオーバーするか、よくて相手のチャンスボールになってしまいます。
上回転サーブの返す時は、ラケットの面を下に向けてボールを抑える必要があります。返し方は「ドライブ」か「フリック」が一般的です。
ドライブ
ドライブで返す時もしっかりと面を下に向けて抑えるようにして打つことが求められます。対下回転の時のようにループ気味に打つと、オーバーミスにつながってしまいます。
対上回転に対するドライブは、面はより下に向けて水平に近い状態で打ちます。回転量よりも、ラケットの角度が大事です。スピードドライブよりの打ち方が求められます。
また、打球点は頂点が理想的です。頂点で打つことで、角度的に相手のコートに入りやすくなります。
※下にWRMのぐっちぃさんの対上回転のドライブの解説動画を掲載させていただいています。前陣ドライブに関する解説なので、前陣でのドライブに苦手意識がある方はぜひチェックしてみてください。
- 面を下に向けて、かぶせるように打つ
- 回転量よりも、面の角度に気を付ける
- 頂点で打つ
フリック
台上で2バンするような短い上回転サーブに対しては、フリックで返すようにします。
返し方のコツは、ドライブとほぼ同じ。「面を下に向けて、かぶせるように打つ」「頂点で打つ」。この二つがポイントです。
ラケットを下向きにして、ボールにかぶせるようにして打ちます。手首をしっかりと返すことで、より強い打球を打つことができます。また、ラケットを横に振ることで方向をコントロールすることもできます。
狙うコースは、フォアかミドルがおすすめ。その理由は、手首を使いやすく強い打球が打ちやすいから。レシーブでポイントをもぎとることも可能です。
- 面を下に向けて、かぶせるように打つ
- 頂点で打つ
- フォアかミドルを狙う
ツッツキ・ストップは厳禁
上回転に関しては、ツッツキ・ストップは厳禁です。上回転のように伸びるボールに対してストップは使いにくく、ツッツキをするとボールが浮ついて3球目で強打される可能性が高いからです。
上回転サーブに対するレシーブは、上記で紹介した「ドライブ」か「フリック」をおすすめします。
横回転
横回転に対してラケットをそのまま当てると、ボールは横に飛んでいきます。回転を見極めてコースを考えないと、サイドにオーバーしてしまいます。
そんな横回転系サーブをレシーブする基本は、「スイング方向と逆を狙って打つ」です。
スイング方向と逆を狙う
横回転サーブを返す時のポイントは、相手のスイング方向と逆を狙うこと。スイング方向とボールが跳ねる方向は一致しています。そのため、スイングとは逆の方向を狙うことで台上に入りやすくなります。
相手がスイングが右方向の場合は、ボールは右に飛んでいきます。そのため、左を狙ってレシーブします。スイングが左方向に伸びている場合は、右を狙ってレシーブします。
レシーブでは、一瞬の判断が求められます。慣れないうちは、深く考えずに「スイングと逆を狙う」と機械的に覚えておくことをおすすめします。
フォアへ長いツッツキで返す
ツッツキ(下回転)で返す場合は、長く深く返すのがセオリーです。ラケットの面を左右どちらかに傾けて、相手の回転を吸収して返球します。ボールを上から下に向かって回転をかけるのがポイントです。
面を立ててツッツくと、ボールは浮ついてしまいます。そのため、ラケットの面は立てて上から下に切るようにして返球します。
流して返すか、逆回転をつけて返す
横回転サーブに対するレシーブには、「順で流す」「逆で返す」という2つの方法もあります。以下では、右回転サーブに対するレシーブを例にして説明します。
「順に流す」場合は、ラケットを右方向に開いて構えます。手首を反らせて右に傾け、そのまま手首を動かさずに腕の振りでインパクトします。右回転に対して右回転で返すので、「流し打ち」という言い方もします。
「逆で返す」場合は、ラケットの面を立てて左向きに構えます。そのままの角度でボールに身体の上体を近づけます。ひじを曲げたまま内から外へ滑らせるようなスイングでインパクトします。右回転に対して左回転で返すので、「逆で返す」と言います。
フリックも有効
横回転サーブに対しては、フリックも有効です。より攻撃的な返し方をすることで、その後の展開の主導権を握ることができます。
ナックル(無回転)
ほぼ回転のかかっていないナックルサーブ。見抜くことができれば、返すことは難しくありません。ただ、サーバー側は下回転などの回転系サーブと混ぜて使ってくるので注意が必要です。
ラケットを寝かせた通常のツッツキで返球してしまうと、ボールは浮ついてチャンスボールとなってしまいます。そのため、ラケットは立てた状態でボールの後ろ側を打つようにします。
ナックルサーブに対しては、「ツッツキ」「強打」「フリック」などが一般的な返し方です。
押し出すように低くツッツキ
上でも書いたように、通常のツッツキではボールは浮ついてしまいます。下からすくおうとはせず、前に押し出すようにして打球します。
高くならないように、低い弾道で返すのがポイントです。ボールが高くなってしまうと、相手に強打されてしまいます。
強打・フリック
相手のサーブがナックルボールだと完全に見切っていたら、強打やフリックなどで攻撃するのもありです。
相手の3球目攻撃をけん制したり、上手くコースを突ければポイントをとることができます。
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回転が分からない時の返し方
各回転サーブの返し方をまとめてきました。回転の種類が分かっていれば、上記の対応でレシーブすることができるはずです。
問題なのは、回転が分からない時。相手のサーブにどんな回転がかかっているのか見極め切れないと、上記のような対処法は役に立ちません。
「回転が分からない」。そんな時は、「回転を上書きする」というのも一つの手です。つまり、相手の回転を打ち消すくらいの強烈な回転をかけてレシーブするという方法です。
高速でスイングすることで、ボールは引っ張られて回転を上書きすることができます。相手の回転を打ち消して、自分の思うようにコントロールすることができます。
回転が分からない時には、とにかく思い切りスイングして自分から回転をかけるようにしてください。下回転系なら、ツッツキ。上回転系ならドライブを打ちます。
上回転系か下回転系かも分からないときは、とにかく思い切りツッツキをしてください。ボールが上に跳ねる可能性もありますが、強烈な回転がかかっていると相手のミスを誘うことができます。