卓球サーブのルール 隠す行為は反則【禁止された理由】

卓球のサーブのルールには、「ボールを手で隠してはいけない」というルールがあります。いわゆるボディハイドサーブですね。

この記事では、ボディハイドサーブが禁止になった理由も含めて、正しい卓球のルールを紹介していきます。

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卓球サーブのルール 隠す行為は反則

卓球のサーブにおいて、隠す行為は反則です。具体的には、以下の2点の隠す行為がルール違反に当たります。

2つの反則
  • ①手のひらでボールを隠す
  • ②トスした後にボールを隠す

①手のひらでボールを隠す

トスを上げる前、手のひらにボールを乗せます。このボールを乗せる位置もきちんとルールで決められています。

ボールを包むようにボールを隠す行為は、反則とみなされます。トスをする上では、手のひらを開いてその上にボールを置き、ボールが相手に見えるようにする必要があります。

反則例
  • ボールを手で覆って隠す
  • 指先にボールを乗せる

 

②トスした後にボールを隠す

トスを上げた後に、ボールを手や衣服で隠す行為も反則です。いわゆるボディハイドサーブですね。

インパクトの瞬間を身体で隠すことで、回転の種類がレシーバーに読まれなくなります。回転を読めない状態だと、レシーバーは相当不利な立場に立たされます。

レシーバーは、サーブのモーションやラケットの向きから回転を予測します。その部分を隠されることで、回転を判断することができなくなります。卓球において、「回転を見極める」というのは試合で勝つための最低条件。そういっても過言ではないほど重要な部分です。

トスしたボールを隠すボディハイドサーブは、以前のルールでは認められていたのですが、2002年のルール改正で反則行為とされました。

 

審判に指摘されると、警告もしくは失点となる

上記のような隠す反則行為が審判に指摘される場合、警告されるかフォルト(失点)となります。

反則行為が明らかな場合は一発でフォルト(失点)。反則行為が疑わしい場合は警告となります。警告は一度だけで、二度目からはフォルトとされます。

元卓球部の一言
試合会場で試合を見ていると、「反則じゃないのか…」と思うほどギリギリ隠している選手を見かけます。ただ、審判が隠す行為を警告したりフォルトにしたりする場面はあまり見かけません。

一般の大会だと、負け審が基本です。そこまで突っ込んだジャッジを下せないというのが現状なのかもしれません。※隠す反則行為がOKということを言いたいのではなく、グレーゾーンになっている場合もあるという話です

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隠す行為(ボディハイドサーブ)が禁止された理由

ボディハイドサーブが反則となったのは、2002年から。卓球の歴史の長さを考えると結構最近ですよね。

禁止となった理由は、「卓球を、もっとラリーが続き、メディア受けする面白いスポーツにするためである」と言われています。

レシーバーも分からないし、観客も分からない

ボディハイドサーブが禁止される前は、相手のサーブの回転がかなり分かりにくく、レシーブミスが目立っていました。サーブレシーブで終わり、ラリーまで続かない。

サーバーが連続してポイントをとる場面は珍しくなかったようです。※サーブが5ポイント交代だった時は、5点先取という状況もあったようです

レシーバーに回転が分からないということは、見ている観客はさらに分かりません。何故ミスしたのか分からないまま、どんどん試合が進んでいく…。そんな状態では、たしかにメディア受けはしなさそうですよね。

 

メディア受け重視のルール改正

ボディハイドサーブをはじめ、卓球のルール改正のポイントは「メディア受け」。より観客が楽しめるように試合のルールを改正し続けています。

2000年には、ボールの大きさが38mmから40mmと一回り大きくなりました。このルール改正の理由も、「ラリーが続かず、メディア受けが悪いから」だといわれています。

小さいボールだと、空気抵抗が少ないためにボールスピードが速くなります。強打一撃で終わってしまう場面が多く、ラリーにまで続かなかったようです。現在のボールになって、ボールのスピードが落ちてからはラリーが続くようになりました。

激しいラリー戦は、観客を興奮させます。本当にすごいのはノータッチで打ち抜くことかもしれませんが、観客としてみる時に白熱するのはたしかにラリーの報酬ですよね。

元卓球部の一言
最初に「メディア受けを意識したルール改正」と知った時は、なんだか残念な気持ちになりました。「選手のためのルール改正」じゃないのか…と思ったからです。

ですが、今では少し考え方が変わりました。卓球がメディアで注目されなくなれば卓球人口も減少します。競技人口が減れば、やがて卓球界全体の衰退につながっていきます。長い目で見れば、選手のためのルール改正、卓球界全体のためのルール改正となります。

そう考えることができるようになってからは、メディア受けを意識したルール改正を肯定的になりました。たしかにメディア受けは大事です。

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隠すサーブで世界の頂点に立った選手がいる

トスしたボールを身体で隠すボディハイドサーブがまだ禁止されていないころ。多くの全世界のトップ選手は、ボディハイドサーブを使っていました。

その中でもボディハイドサーブの名手として名をはせたのが、中国の劉国梁。現役時代には、世界選手権で多数の金メダルを獲得。1996年のアトランタ五輪でシングルスで金メダル、ダブルスでも金メダルを獲得しています。

サービスは第一の攻撃」という理念を持ち、その理念通りサーブ技術が大きな武器となっていました。劉国梁のサーブ技術は、日本の雑誌でも特集が組まれるほどでした。ルール改正の際には、「劉国梁がタイトルを総なめしたからでは?」という声が出てくるほどでした。それほど大きく活躍した選手でした。

1999年に劉国梁が世界選手権で優勝した3年後、2002年にボディハイドサーブが禁止となるルール改正が行われました。

その年に劉国梁は現役を引退しています(ITTFの試合の出場記録は2002年までとなっている)2018年現在は、中国卓球協会の副会長として卓球界に貢献し続けています。

元卓球部の一言
当時私はまだ卓球をやっていなかったのですが、劉国梁の活躍はテレビで見た記憶があります。卓球に興味を持っていない時期にも関わらず、覚えているということはテレビで相当取り上げられていたのでしょうね。

まぁアトランタ五輪で金メダルを2枚も取ったら注目もされますよね。それだけすごい選手だということです。

 

隠す行為は禁止だけど、いまだにやってる人は多い!?【ネットの声まとめ】

Twitterでボディハイドサーブの口コミを調べてみました。「たまに見る」という声もあれば、「クセが抜けなくて、隠しそう」という声もありました。反則の意識なく隠して打っている人も一定数いそうですね。

隠したか隠していないかの判断は審判にゆだねられます。グレーな打ち方であっても、黙認する人も多いと思います。負け審でフォルトを警告するのは勇気いりますからね…。明らかな違反以外は、警告しないというのが現状だと思います。

まだルール改正から15年ちょっと。ルールが全体に浸透するには、もう少し時間がかかるのかもしれません。

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