オリンピックにおける卓球競技の歴史を紹介します。「いつから始まったのか」「種目の変遷」「歴代メダリスト一覧」などをまとめてみました。
中国一強の時代がずっと続いているのかと思いきや、そうでもありませんでした。
オリンピック 卓球の歴史
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・卓球競技が開始。シングルス、ダブルス(男女)の4種目でスタート。
・中国が5個のメダル獲得
・韓国が4個のメダル獲得
■1992年 バルセロナオリンピック
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・3位決定戦が行われず、銅メダル獲得者が各競技2名ずつ出る。
・ワルドナー(ドイツ)が男子シングルスで金メダル獲得
・中国が6個のメダル獲得
・韓国が5個のメダル獲得
■1996年 アトランタオリンピック
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・3位決定戦復活。
・劉国梁(中国)が男子シングルスで金メダル獲得
・中国が8個のメダル獲得
・韓国が2個のメダル獲得
■2000年 シドニーオリンピック
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・中国が8個のメダル獲得
・全種目の金メダルを中国選手が獲得
■2004年 アテネオリンピック
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・日ペン使いの柳承敏(韓国)が男子シングルスで金メダル獲得
・中国が6個のメダル獲得
・韓国が3個のメダル獲得
■2008年 北京オリンピック
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・ダブルスが廃止、団体戦がスタート
・中国が8個のメダル獲得
■2012年 ロンドンオリンピック
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・日本が女子団体で銀メダル獲得(石川・福原・平野)
・中国が6個のメダル獲得
■2016年 リオデジャネイロオリンピック
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・男子シングルスで水谷が銅メダル獲得
・男子団体で日本代表が銀メダル獲得
・女子団体で日本代表が銅メダル獲得
・中国が6個のメダル獲得
■2020年 東京オリンピック
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・混合ダブルスが種目に加わる
オリンピックにおける卓球の歴史は、1988年のソウルオリンピックから始まります。他の競技と比べると、比較的歴史の浅い競技といえますね。そんな中でも、色々な流れがあります。
以下では、さらに詳しく卓球競技の歴史を紹介します。メダリストを一覧でまとめているので、どの時代にどの国が強かったのか、今勢いがある国はどこなのかをチェックしてみてください。
オリンピック卓球競技・メダリスト一覧
1988年 ソウルオリンピック
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金|劉南奎(韓国)
銀|金琦澤(韓国)
銅|リンド(スウェーデン)
■男子ダブルス
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金|陳龍燦・韋晴光(中国)
銀|ルプレスク・プリモラッツ(ユーゴスラビア)
銅|安宰亨・劉南奎(韓国)
■女子シングルス
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金|陳静(中国)
銀|李恵芬(中国)
銅|焦志敏(中国)
■女子ダブルス
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金|玄静和・梁英子(韓国)
銀|陳静・焦志敏(中国)
銅|ファズリッチ・ペルクチン(ユーゴスラビア)
今大会から卓球が正式種目となりました。種目は、シングルスとダブルス(男女)の4種目。最初のオリンピックでも、やはり中国は強いですね。合計5つのメダルを獲得しています。
ただ、ちょっと驚きなのが、中国はシングルスではメダルを一つも獲得できていない点。韓国の選手が金メダルと銀メダルを獲得しています。韓国のメダル獲得数は4つ。対する中国は5つ。かなり迫っていますね。
- 中国(5)
- 韓国(4)
- ユーゴスラビア(2)
- スウェーデン(1)
1992年 バルセロナオリンピック
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金|ワルドナー(スウェーデン)
銀|ガシアン(フランス)
銅|金擇洙(韓国)
銅|馬文革(中国)
■男子ダブルス
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金|呂林・王涛(中国)
銀|フェッツナー・ロスコフ(ドイツ)
銅|姜煕燦・李哲承(韓国)
銅|金擇洙・劉南奎(韓国)
■女子シングルス
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金|鄧亞萍(中国)
銀|喬紅(中国)
銅|ブンヒ(北朝鮮)
銅|玄静和(韓国)
■女子ダブルス
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金|鄧亞萍・喬紅(中国)
銀|陳子荷・高軍(中国)
銅|ブンヒ・スンボク(北朝鮮)
銅|玄静和・洪次玉(韓国)
二度目のオリンピックを迎えた卓球。本大会から、しばらく中国1強時代が続くことになります。本大会で中国は、6個のメダルを獲得しています。(本大会では3位決定戦が行われず、銅メダル獲得者は2人存在しました)
ただ、特筆すべきは男子シングルスの金メダルを逃している点。金メダルに輝いているのは、一時代を築いたスウェーデンのワルドナー。中国に風穴を開けています。その天才的なプレーは、「卓球史上最高のプレーヤー」とまで言われました。
的確でゆったりとしたプレーは、「ワルドナータイム」と呼ばれて世界の卓球ファンを魅了しました。中国はワルドナーの研究に躍起になっていたことでしょうね。
- 中国(6)
- 韓国(5)
- 北朝鮮(2)
- スウェーデン(1)
- フランス(1)
- ドイツ(1)
1996年 アトランタオリンピック
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金|劉国梁(中国)
銀|王涛(中国)
銅|ロスコフ(ドイツ)
■男子ダブルス
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金|劉国梁・孔令輝(中国)
銀|呂林・王濤(中国)
銅|李哲承・劉南奎(韓国)
■女子シングルス
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金|鄧亞萍(中国)
銀|陳静(チャイニーズタイペイ)
銅|喬紅(中国)
■女子ダブルス
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金|鄧亞萍・喬紅(中国)
銀|劉偉・喬雲(中国)
銅|朴海晶・柳智恵(韓国)
前大会では、3位決定戦を行わずに銅メダル獲得者が2人存在しました。ですが、今大会から3位決定戦が復活。銅メダル獲得者は1人となりました。
中国はシングルス、ダブルス含めて8個のメダルを獲得しています。全種目の金メダルを総なめする快挙を果たします。
中国の注目選手は、劉国梁。いまだに研究され続けている天才プレイヤーです。今では当たり前のようになった裏面打法を本格的に取り入れた最初の選手だといわれています。卓球の歴史を変えた一人だといっても過言ではありません。
オリンピックだけでなく、世界選手権でも挑戦に君臨しました。あまりに強すぎるため、ルール改正まで引き起こしたといわれています。「40mmボールへの変更」「劉国梁使用ラバーの改正」「ハンドハイドサーブ(ボールを隠して打つサーブ)の禁止」などなど。この三つのルール改正は劉国梁殺しと呼ばれ、引退においやった要因だとされています。
まさに卓球の歴史を変えた存在・劉国梁。ルール改正が行われるまでオリンピックでも活躍を続けました。
- 中国(8)
- 韓国(2)
- チャイニーズタイペイ(1)
- ドイツ(1)
2000年 シドニーオリンピック
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金|孔令輝(中国)
銀|ワルドナー(スウェーデン)
銅|劉国梁(中国)
■男子ダブルス
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金|王励勤・閻森(中国)
銀|劉国梁・孔令輝(中国)
銅|ガシアン・シーラ(フランス)
■女子シングルス
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金|王楠(中国)
銀|李菊(中国)
銅|陳静(チャイニーズタイペイ)
■女子ダブルス
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金|李菊・王楠(中国)
銀|孫晋・楊影(中国)
銅|金戊校・柳智恵(韓国)
まだまだ中国1強時代の真っただ中。シングルス・ダブルス(男女)の全4種目の金メダルは、すべて中国の選手が獲得しています。ドイツのワルドナーも善戦しましたが、シングルス銀メダル獲得にとどまっています(それでも十分すごいですが汗)。
- 中国(8)
- スウェーデン(1)
- チャイニーズタイペイ(1)
- フランス(1)
- 韓国(1)
2004年 アテネオリンピック
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金|柳承敏(韓国)
銀|王皓(中国)
銅|王励勤(中国)
■男子ダブルス
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金|陳キ・馬琳(中国)
銀|高礼澤・李静(香港)
銅|メイス・ツグウェル(デンマーク)
■女子シングルス
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金|張怡寧(中国)
銀|ヒャンミ(北朝鮮)
銅|キョンア(韓国)
■女子ダブルス
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金|王楠・張怡寧(中国)
銀|李恩実・石恩美(韓国)
銅|郭躍・牛剣鋒(中国)
例によって中国のメダル獲得数が突出していますね。ただ、男子シングルスでは韓国の選手・柳承敏が中国の選手を破り金メダルを獲得しました。幼いころには、韓国で神童と呼ばれるほどの天才的な資質を持っていた選手です。
日本式ペンホルダーの使用者。裏面にはラバーを貼らない韓国の伝統的なプレースタイルが特徴的でした。日ペンでしかも裏面を使わない選手。近年の現代卓球ではかなり珍しいプレースタイルです。
- 中国(6)
- 韓国(3)
- 香港(1)
- 北朝鮮(1)
- デンマーク(1)
2008年 北京オリンピック
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金|馬琳(中国)
銀|王皓(中国)
銅|王励勤(中国)
■男子団体
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金|馬琳・王皓・王励勤(中国)
銀|ボル・オフチャロフ・ズース(ドイツ)
銅|呉尚垠・柳承敏・尹在栄(韓国)
■女子シングルス
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金|張怡寧(中国)
銀|王楠(中国)
銅|郭躍(中国)
■女子団体
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金|郭躍・王楠・張怡寧(中国)
銀|馮天薇・ジャウェイ・王越古(シンガポール)
銅|唐イェ序・金キョン娥・朴美英(韓国)
前大会まで行われていたダブルスに代わり、本大会から団体戦が種目に加わりました。3名による熾烈な争いが観客を熱狂させました。
オリンピックの卓球の歴史で初めての団体戦を制したのは、やはり中国。馬琳
、王皓、王励勤の三人が団体戦で金メダルを獲得しました。驚きなのは、この三人がシングルスのメダルを総なめしているという点。
シングルス金メダルは馬琳、銀メダルは王皓、銅メダルは王励勤。ちなみに、中国女子団体メンバーも、同様にシングルスのメダルを総なめ。ちょっと中国が強すぎます。
- 中国(8)
- 韓国(2)
- ドイツ(1)
- シンガポール(1)
2012年 ロンドンオリンピック
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金|張継科(中国)
銀|王皓(中国)
銅|オフチャロフ(ドイツ)
■男子団体
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金|張継科・王皓・馬龍(中国)
銀|朱世赫・呉尚垠・柳承敏(韓国)
銅|ボル・オフチャロフ・シュテガー(ドイツ)
■女子シングルス
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金|李暁霞(中国)
銀|丁寧(中国)
銅|ティアンウェイ(シンガポール)
■女子団体
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金|丁寧・郭躍・李暁霞(中国)
銀|石川・福原・平野(日本)
銅|ティアンウェイ・ユエグ・ジャウェイ(シンガポール)
まだまだ中国の強いロンドンオリンピック。ですが、特筆すべきは日本代表の活躍でしょう。オリンピックの卓球競技の歴史において、日本が初めてメダルを獲得します。
メダリストとなったのは、女子団体メンバー。石川佳純、福原愛、平野早矢香の三名が女子団体において銀メダルを獲得しました。まさに快挙。私もテレビで見ていてかなり興奮しました。
本大会でもう一つ注目したいのは、ドイツのボル選手。男子団体でどう目立つを獲得しています。ボル選手は、低迷していた欧州卓球の中で絶対的な強さを発揮します。
この後に約7か月にわたって、世界ランキング1位を維持し続けるという快挙を成し遂げます。
- 中国(6)
- ドイツ(2)
- シンガポール(2)
- 日本(1)
- 韓国(1)
2016年 リオデジャネイロオリンピック
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金|馬龍(中国)
銀|張継科(中国)
銅|水谷(日本)
■男子団体
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金|張継科・馬龍・許昕(中国)
銀|丹羽・水谷・吉村(日本)
銅|ボル・オフチャロフ・シュテガー(ドイツ)
■女子シングルス
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金|丁寧(中国)
銀|李暁霞(中国)
銅|ソンイ(北朝鮮)
■女子団体
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金|劉詩ブン・丁寧・李暁霞(中国)
銀|イン・ソルヤ・シャオナ(ドイツ)
銅|福原・石川・伊藤(日本)
中国の男子選手・馬龍、張継科や、女子選手・丁寧、劉詩ブンなどの活躍が目立ちます。いまだにこの記事を書いている現時点でも世界のトップを走るトッププレイヤーですね。
また、前大会に引き続き、本大会でも日本勢の活躍が目覚ましいですね。男子シングルスでは水谷が銅メダルを獲得。歴史上初の快挙です。さらに、男子団体でも日本は銀メダルを獲得。
さらにさらに、女子団体でも福原愛、石川佳純、伊藤美誠の三名が銅メダルを獲得しました。伊藤美誠選手に関しては15歳300日でのメダル獲得。オリンピックの卓球競技の歴史を塗り替える記録を打ち立てました。
本大会で日本は、中国に次ぐ3個のメダルを獲得しました。
- 中国(6)
- 日本(3)
- ドイツ(2)
- 北朝鮮(1)
日本の黄金時代が再び訪れるか
卓球の歴史には、日本黄金時代が存在します。1950年代に日本は数々の世界大会でメダルを総なめしていきました。そんな黄金時代の歴史が、東京オリンピックを皮切りに繰り返されるのではないかと筆者は期待しています。
中国一強時代が長く続いてはいますが、近年では日本代表が躍進を続けています。2012年ロンドンオリンピックでは、初のメダル獲得。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは3個のメダルを獲得しています。
徐々にではありますが、中国一強の牙城を崩しにかかっているように感じます。そして、2020年にはホームグラウンドである東京でのオリンピック開催。日本代表のさらなる活躍に期待せずにはいられません。
実際、張本智和や伊藤美誠をはじめとする10代の若い選手が中国選手に勝利し続けています。日本の卓球の歴史の中で、最強ともいえる選手が揃い始めているといえます。
日本の二度目の黄金時代は、これから始まるのだと期待を隠せません。
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