卓球のラバーは、厚さによって性能に違いが出てきます。そのため、どの厚さを選ぶのかは結構重要な問題です。
本記事では、「厚さによる違い」「選び方の鉄則」「おすすめの厚さ」「メーカー別の数値表」をまとめてみました。
卓球ラバー 厚さの違い
卓球のラケットには”厚さ”があります。厚さとは、スポンジの厚さを指します。スポンジの厚さの違いによって、ラバーの性能が大きく変わります。厚さによってどんな違いが出るのか、以下では厚いラバーと薄いラバーの性能の違いについてザクっと説明します。
厚いラバー=弾むし回転もかかる
厚いラバーの特長は、「よく弾む」「回転もかかる」。
スポンジが厚くなるほど、ラバー自体がもつ反発力が増して弾み性能がアップします。つまり、厚いほど打球時に威力が上がるということですね。
また、回転もかかりやすくなります。スポンジが厚いことで、ボールがよりラバーに食い込みやすくなります。球持ちがよくなるので、回転をかけやすくなります。
厚いラバーは、弾みも良いし回転もかかる。良いことづくめですよね。上級者やトッププレイヤーのほとんどは、厚いラバーを使用しています。ただ、薄いラバーの存在価値がないわけではありません。きちんと違いが存在します。
薄いラバー=コントロールしやすい
薄いラバーの特長は、「コントロールしやすい」「軽い」。
弾み性能も回転性能も厚いラバーの方が上です。ですが、コントロール性能は低くなります。その点、薄いラバーは弾みが抑えめな分ボールをコントロールしやすくなります。また、「軽い」のでスイングも安定します。
初心者には、薄めのラバーから選ぶことをおすすめします。薄いラバーを使ってコントロールの技術を習得したら、徐々に厚さを増していくのがおすすめ。
ラバーの厚さの種類
- 一枚ラバー(スポンジなし)
- 超極薄
- 極薄
- 薄
- 中薄
- 中
- 中厚
- 厚
- 特厚
- MAX
卓球ラバーの厚さは、上記の通り。私が知っている限りでも10種類の厚さが存在します。かなり多いですよね汗。ラバーの厚さの違いが分かっても、この中から自分に適した厚さを選ぶのは至難の業ですよ。
ということで、以下では「厚さの選び方の鉄則」と「レベル別のおすすめの厚さ」を紹介します。選ぶ時の基準にしてもらえればと思います。
以下では、レベル別の厚さの選び方を紹介します。
ラバーの厚さの選び方【二つの鉄則】
レベルごとのラバーの厚さの選び方をまとめてみました。実際にどの厚さを選べばいいのか、選び方の基準と、おすすめの厚さを紹介していきます。
選び方の鉄則①「厚くしていく」
ラバーの厚さの選び方の鉄則は、「厚くしていく」。自分の技術の向上に合わせて、ラバーを厚くしていくことをおすすめします。
上でも書いたように、ラバーは厚い方がよく弾み、回転もかかります。厚くすることで、ラバーとしての性能は高くなります。その分コントロールは難しくなりますが、そこは技術でカバーすることができます。
実際、トッププレイヤーはラバーの厚さを最大にしてパフォーマンスを最大限に高めています。
初心者のうちは、薄いラバーでボールのコントロール力を養い、コントロールする力がついてきたら厚みを増していく、というのが選び方の鉄則です。
選び方の鉄則②「自分に合った厚みを探す」
もう一つの選び方の鉄則は、「自分に合った厚みを探す」。
技術の向上に合わせて厚みを増していくのが基本です。厚いラバーの方が性能が高いからです。ですが、中には「特厚よりも、薄の方が回転がかけやすい」という人がいるのも事実。
ラバー自体の性能は厚い方が高いです。ですが、それが自分のプレースタイルにマッチするかはまた別の話。上記の声のように、特厚よりも薄の方が扱いやすく、回転もかけやすい場合もあります。
そんな場合は、セオリーを外れて薄いラバーを選ぶのも一つの選び方です。「厚くしていく」のが基本ですが、「自分に合った厚みで選ぶ」というのも頭の片隅に入れておくことをおすすめします。
レベル別 おすすめの厚さ
初心者におすすめの厚さは「中」
卓球を初めて間もない初心者の方におすすめの厚さは「中」。ちょうど真ん中の厚さです。私が卓球初心者に「中」の厚さをおすすめする理由は二つあります。
理由①「コントロールと弾みのバランスが良い」
「中」の厚さのラバーは、コントロールと弾みのバランスが良いです。回転も適度にかけやすいです。そのため、基礎技術を学んでいく卓球初心者の方には「中」の厚さがおすすめです。
ラバーが厚すぎて弾みが良すぎると、手打ちの悪癖がついてしまいます。ラケットにボールを当てるだけで返球できてしまうので、手だけで打ってしまい、身体全体で打つ感覚を養いにくくなります。
手打ちのクセは厄介で、一度クセがつくとなかなか抜けません。卓球初心者の方は、まずは弾みすぎない「中」の厚さのラバーを選ぶことをおすすめします。
理由②「後で調整しやすい」
「中」のラバーは、その名の通りちょうど中間の厚みです。性能もバランスがとれています。そのため、1枚目に「中」を選んでいると、2枚目のラバーを選ぶ時の基準とすることができます。
「弾みすぎるな」と思ったら、一段階薄いラバーを選ぶことができます。逆に「弾みが物足りない」と思ったら、一段階厚いラバーを選ぶことができます。
このように、「中」のラバーを使用していると、2枚目のラバー選びがしやすくなります。ラバーの厚さの選び方の基本は、「自分に合っていること」です。
自分に合ったラバーを探すためにも、まずは「中」の厚さで基準を作っておくと、後々便利です。というわけで、卓球初心者の方にはまず「中」のラバーから選ぶことをおすすめします。
中級者以上におすすめの厚さは「厚~特厚」
中級者以上におすすめのラバーの厚さは、「厚~特厚」。
その理由は、上で何度も書いたとおり「弾み」「回転」などの性能が高いからです。ラバーを厚くすることで、自分のプレーを一段階ステップアップさせることができます。
厚くするほどコントロールすることは難しくなりますが、コントロールできた時は強力な武器になります。
ラバーの選び方でも紹介した通り、セオリーは技術向上に合わせてラバーも厚くしていく。これが基本です。「中」から初めて、「厚」、「特厚」と徐々に厚さを増していくことをおすすめします。
メーカー別 ラバーの厚さ【数字で一目瞭然】
数字の単位はmm
ラバーの厚さは、メーカーによって変わります。「薄・中・厚」のように文字で書いてある場合と、「1.5~1.8」のように数字で書いてある場合があります。数字の単位はmmです。
文字で書いてある場合は分かりやすいですが、数字の場合はちょっと分かりにくいですよね。メーカーによって厚みの基準も違うので、より分かりにくい。ということで、メーカー別で比較できるように以下では表を掲載します。
メーカー別ラバーの厚さ表
Butterfly | Nittaku | YASAKA | TSP | |
超極薄 | 0.4~0.7 | – | – | – |
極薄 | 0.9~1.2 | 0.9~1.1 | 1.0 | 表ソフト0.6~0.8 粒高0.3~0.6 |
薄 | 1.2~1.5 | 1.2~1.4 | 1.3 | 1.0~1.3 |
中薄 | — | 1.4 | — | — |
中 | 1.5~1.8 | 1.5~1.7 | 1.5 | 1.4~1.7 |
中厚 | — | 1.7~1.9 | 1.8 | — |
厚 | 1.8~2.1 | 1.9~2.1 | 2.0 | 裏ソフト1.9~2.1 表ソフト1.7~1.9 |
特厚 | 2.1~ | 2.1~2.3 | MAX | 2.15~2.2 |
MAX | 3.9~4.0 シートを含む |
2.3~2.5 | — | — |
JUIC | KOKUTAKU | MIZUNO | ||
超極薄 | — | — | — | |
極薄 | — | 1.0 | — | |
薄 | 1.0 | 1.2 | — | |
中薄 | — | — | — | |
中 | 1.5 | 1.7 | 1.8 | |
中厚 | 1.8 | — | — | |
厚 | 2.0 | 2.0 | 2.0 | |
特厚 | MAX | 2.2 | 2.2 | |
MAX | — | — | — |
引用元:卓球専門店ジャスポ
ラバーの厚さを選ぶ時は、この表を参考にして選んでみてください。メーカーによって同じ「厚」でも数値が違う場合があります。例えば、Butterflyの厚は「1.8~2.1」、一方でNittakuの厚は「1.9~2.1」。
メーカーによって、若干数字に誤差があります。より厚さにこだわりたい方は、上記の表を参考にして選ぶことをおすすめします。
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