ブロックが安定するコツを11個集めてみました。項目が多いので、すべて実践することは難しいかもしれません。どれか一つでも実践できそうなものを見つけてみてください。
記事後半では、ブロックの参考になる動画集を作ってみました。こちらもぜひチェックしてみてください。
卓球 ブロックが安定する11個のコツ
①前傾姿勢
一つ目の安定化のコツは、「前傾姿勢」。ひざを軽く曲げ、つま先に体重を乗せて状態を前傾させます。
前傾姿勢でボールを待つことによって、目線とボールの距離が近づき、ラケット操作の精度が上がります。また、足の出だしが早くなります。打球点に早く移動できるので、ブロックの安定化につながります。
前傾姿勢・低い姿勢は、ブロックだけでなくあらゆる場面で役に立ちます。低い姿勢を保つことの重要性は、水谷選手もブログで書いています。以下、水谷選手のブログから抜粋しました。
もう一つは姿勢です。絶対に体勢を高くしないことです。
卓球というのは左右に反復横跳びする動きと足を一歩前後にだす動きがほとんどです。それらを素早く行うためには姿勢が低い(膝をとにかく曲げる)ことが絶対条件です。
左右の足の幅を広げると自然に体勢が低くなりますのでやってみてください。
②手よりも先に足を動かす
二つ目の安定化のコツは、「手よりも先に足を動かす」。この意識をもっておくことで、手打ちを防ぐことができます。
手だけでブロックすると、相手の打球の威力に負けてしまいます。打球は不安定になります。足を動かして打球点に入り、フォームを整えることで打球の安定化につながります。
足よりも先に手が動いてしまうのは、卓球初級者にありがちです。ラケットを手で握っているので、どうしても手に意識が集中してしまって先に動いてしまいます。
そこで、「手よりも先に足を動かす」を常に意識して練習するようにします。繰り返し意識することで、徐々に足から動くクセがついてきます。このクセは、ブロックだけでなくレシーブやラリーでも役に立ちます。
つまり、卓球のスキルを全体的に底上げすることが可能なんです。
③ラケットを台より高い位置に準備しておく
三つ目の安定化のコツは、「ラケットを台より高い位置に準備しておく」。
ラケットを高い位置でスタンバイさせておくことで、打球点まで早く移動させることができます。ラケットの移動範囲が狭いので、ラケットがブレにくくなります。
ラケットは身体の前で、高い位置でキープ。これが隙の少ない基本スタンスとなります。
④打球を恐がらない意識
四つ目の安定化のコツは、「打球を恐がらない意識」。
ブロックは、相手のスマッシュはドライブなど攻撃的な球種を返球する技術です。速いボールに慣れていないと、無意識に上体がのけぞったり、台から離れようとしてしまいます。打球を恐れてフォームが崩れると、ブロックは安定しません。
自分では恐れていないつもりでも、ついつい身体が反応してしまいます。打球に対する恐れを無くす方法は、慣れしかありません。普段の練習から速い球に慣れておくようにしましょう。
練習する時に「恐がらない」と意識することで、慣れのスピードは格段に上がります。
速いボールに対しては、体が無意識に避けようとしてしまいます。人間の身体は危険を避けるようにできているので、身体が反応するのは正常な証拠です。ただ、卓球に強くなるにはその反応を矯正する必要があります。
⑤バックスイングはとらない
五つ目の安定化のコツは、「バックスイングはとらない」。
ブロックは、相手の打球の威力を利用して返球する打法です。そのため、バックスイングはほとんどいりません。バックスイングを大きくとってしまうと、コントロールが難しくなり、オーバーミスの原因になってしまいます。
ブロック時のオーバーミスが多いという方は、バックスイングを見直してみてください。
⑥スイングはコンパクトにする
六つ目の安定化のコツは、「スイングはコンパクトにする」。
バックスイングはほぼとらず、スイングも極力小さくします。振るというよりも、押すイメージです。
ブロックは相手の打球の威力を利用して返球する技術です。こちらがボールに与える力は最小限に抑えるようにします。それが安定化につながります。
もしくは、相手の打球の威力がない時、余裕がある時にカウンターブロックを狙うようにしましょう。
⑦打球点は頂点前
七つ目の安定化のコツは、「打球点は頂点前」。バウンド直後を狙って打つようにしましょう。
特にドライブは頂点を過ぎると回転の威力が増してきます。まだ回転の影響の少ない頂点前でブロックするのが得策だといえます。
⑧ラケットのヘッドを立てる
八つ目の安定化のコツは、「ラケットのヘッドを立てる」。
ラケットのヘッドを立ててブロックすることで、ボールを抑えやすくなります。ラケットが押されにくいので、安定してブロックしやすくなります。
このコツは、回転量の多いループドライブをブロックする時でも有効です。ドライブボールは上に飛び上がる性質を持っていますが、ラケットヘッドを立てることで、上に上がろうとするボールを抑えやすくなります。
⑨フリーハンドを高くする
九つ目の安定化のコツは、「フリーハンドを高くする」。
フリーハンド(ラケットを持っていない方の手)を高くすることで、体幹のバランスをとりやすくなります。強烈な打球が来ても、体幹がしっかりしていれば安定して返球することができます。
⑩腕を伸ばさない
10個目の安定化のコツは、「腕を伸ばさない」。
二つ目に紹介した「手よりも先に足を動かす」というコツにも通じるコツです。腕を伸ばして手打ち状態で打ってしまうと、打球は不安定になります。腕を適度に曲げてリラックスした状態で打つようにしましょう。
腕を伸ばさないためには、足をしっかりと動かす必要があります。手よりも足を先に動かして、腕を伸ばすような状況を作らないようにしましょう。
「多すぎて全部試すのは無理だ…」と思うかもしれませんが、一つ試すことで二、三個のコツを同時に実践できたりします。まずは、どれか一つを試してみてください。
⑪回転量に応じてラケットの角度を調整
11個目の安定化のコツは、「回転量に応じてラケットの角度を調整」。これは、ドライブをブロックする時のコツですね。
ドライブは、大きく分けて「回転量は少ないけど速いスピードドライブ」と「回転量は多いけど遅いループドライブ」の2種類があります。それぞれ回転量が大きく異なります。
回転量に応じて、ラケットの角度を調整する必要があります。大まかに説明すると「回転量が多ければ、ラケットを下に向ける」「回転量が少なければ、ラケットを立てる」。
基本的にはラケットの角度は下向き。かぶせ気味に打ちますが、回転量に応じてラケットの角度を微調整してみてください。
ただ、そこまで難しく考えなくても大丈夫です。「回転量が多ければ、ラケットを下に向ける」「回転量が少なければ、ラケットを立てる」という基本を頭に入れた上で練習を繰り返すだけで、微調整の感覚はつかめてくるはずです。
多球練習など、反復することで微調整のコツや感覚を掴むことができます。
参考になる動画集
ブロックのコツを紹介している動画はYoutube上にいくつもあります。その中から、個人的に参考になった動画を4つ厳選しました。
技術解説中心の動画、レッスン風景を撮影した動画、ラリー動画、練習動画など。それぞれ違った特徴を持つ動画です。動画を見るだけでもかなり参考になりますよ。
鉄壁ブロックのコツ【卓球知恵袋】
WRMのぐっちぃさんによるブロック解説動画です。上でも紹介しましたが、改めて貼り付けてみました。この動画で紹介されているコツとは、「ラケットのヘッドを立てること」です。
繰り返しになりますが、ラケットのヘッドを立ててブロックすることで打球は安定します。
鉄壁ブロックを磨くオススメ練習方法(滋賀県:卓球スクールアドバンス・鳥原コーチ)【卓球知恵袋】
続いても、WRMの卓球知恵袋の動画。この動画では、ブロックの精度を高めるための練習方法が紹介されています。動画内で紹介されている練習方法は以下の4つ。
- ランダムコースブロック
- 3球目をランダムブロック
- ランダムツッツキ3球目をブロック
- ランダム高速ピッチの球出し
二人が練習している風景に、ポイントが字幕で表示されます。シンプルな構成の動画ですが、シンプルだからこそ分かりやすいです。ブロックが苦手な方、ブロックを強化させようと思っている方は、ぜひ練習メニューに組み込んでみてください。
卓球レッスン ブロックを身につけて壁になる!大事なことは何?
Lili PingPong Channelの卓球動画です。羽田コーチ(女性の方)が、ピンレモさん(男性の方)にブロックを教えるという内容の動画です。実際のレッスン動画なので、ただの解説動画よりも頭に入りやすいです。
ピンレモさんが練習していく中で、羽田コーチが随時アドバイスを入れていきます。コツやポイントは字幕で表示してくれるのも親切ですね。
ピンレモさんが徐々にコツを掴んでいって上手くなっていく様子は見ていて楽しいですね。
偉関晴光VSぐっちぃ!鉄壁ブロックと両ハンド【卓球知恵袋】
最後に紹介する動画は、WRMのぐっちぃさんとオリンピックチャンピオンの偉関晴光さんとの練習風景を撮影したもの。注目してほしいのは、伊関さんのブロック。
動画タイトルにもありますが、まさに鉄壁ブロック。最小限の力で、ぐっちぃさんの打球を返球しています。ブロックを極めればここまで至ることができるのだとすごさを感じます。