卓球経験者は「初心者を相手にする時どうするか迷う」という状況を経験した人は多いと思います。
全力で勝負するか、それとも相手を気遣ってポイントを持たせるか。卓球界にはラブゲームで勝たないというマナーもあります。福原愛選手もラブゲームで勝利して相手選手に謝罪したという事案がニュースになったりしています。
初心者相手との試合は、どのように望むべきなのか。本記事では、かつて初心者のころに手を抜かれて負かされた経験を持つ筆者なりの意見をまとめました。
卓球初心者を相手にする時〇〇だけはしてはいけない【ただし状況による】
公式試合の場合
大会など、公式試合での場合。私は手を抜くべきではないと思います。
公式の試合であっても、初戦や2回戦あたりでは初心者を相手にする場面も出てきます。相手の技量にもよりますが、一方的な展開で圧倒してしまう試合内容になるかもしれません。
そんな状況でも、手を抜くべきではないと思います。そう思う理由は、手を抜かれた相手はかなりモヤモヤするからです。
私の経験上そうです。試合から数年経過してから、こんな記事を書くくらいにはモヤモヤを引きづります。あくまで初心者側の意見ですが。
私が手を抜かれたのは、大学1年生の時の公式試合。大学から卓球を始めて初の公式試合でした。私はまだドライブを知らない初心者で、ツッツキと下回転サーブがかろうじて出せるレベルでした。
1回戦の相手は、大会の決勝常連の実力者。強烈な回転をかけたサーブの前に、私は連続してレシーブミス。かろうじてサーブが返せたとしても、3球目で強打されて終わり。一方的な試合展開でした。
最初は相手も全力でやっていたようですが(ポイントをとって掛け声を出すなど)、途中から完全に勢いが止まりました。掛け声もなくなり、コースも甘くなりました。
初心者の私でも、「手抜かれてるな」と感じました。自分の実力の無さに情けなくなり、悔しい気持ちのまま試合を続けることになりました。結果的に試合は負けました。
負けたことの悔しさよりも、相手に手を抜かれたことに対するモヤモヤの方が勝っていました。このモヤモヤは現在に至るまで続いています。
そんな経験から、私は公式の試合の場ではたとえ初心者相手でも手を抜くべきではないと思っています。初心者側の立場から、手を抜いてほしくないと思っています。
相手も悪気があって手を抜いたわけではないと思います。こちらを気遣ってか、もしくは後の試合のための体力温存が目的だったのかもしれません。それでも、私は手を抜いてほしくないと思います。
卓球のマナーに「負かす相手に敬意を払ってラブゲームで勝たない」というのがありますが、敬意を払うことが目的なのであれば、全力を出してほしいというのがイチ経験者としての本音です。
ちなみに漫画「ピンポン」の登場人物・バタフライジョー(小泉コーチ)も同じようなことを言っています。※スマイルがチャイナに対して手を抜いて負けた時のセリフ
あの手の試合はな、関わった人間みんな苦しめるんだ
二度としないでください
引用:漫画「ピンポン」より
試合形式の練習の場合
公式試合ではなく、試合形式での練習の場合。練習といえども、真剣な試合なのであれば手を抜かないで欲しいと思ってしまいます。
部内でのトーナメント戦など、きちんと点数と勝敗をつける試合の場合は初心者相手でも全力を尽くすべき。たとえ練習だったとしても真剣な場で手を抜かれるというのはかなりモヤモヤします。
ただ、練習内容、試合する目的にもよります。〇〇強化のための試合形式など、勝敗を決めることが目的でない試合形式であれば、話は変わってきます。
試合の中で、意図的に相手の苦手コースばかりを狙ったり、課題にあった試合展開をしたりすることはあります。
練習試合で大事なのは、試合後。何が課題なのかをハッキリと伝えることが大事だと思います。練習試合の目的は、お互いの技術の向上です。負かすだけでなく、アドバイスを伝えることで目的を達成することができます。
温泉卓球の場合
ここまで手は抜かずに全力でやって欲しいという意見を書いてきた私ですが、例外もあります。それは、温泉卓球など遊びが目的の卓球の場合。公式試合、練習試合と違うのは、目的が”遊び”だという点です。
遊びで初心者相手に全力を出して負かすと、相手はかなりムッとするはず。楽しい雰囲気が一変して険悪な雰囲気になりかねません。
恋人とのデート、上司との接待など、手を抜くべき場面は多々あります。ただ、卓球初心者であっても、手を抜かれると不機嫌になるプライドの高い人もいます。初心者がどんな相手なのかを見極めて、手を抜くのか、全力を出すのか判断する必要があります。
例えば、女の子とのデートで卓球をする場合であれば手を抜いた方が無難です。いつもの試合のように全力を出して勝ちを貪欲に求めると、嫌われてしまうはずです。
卓球芸人・ぴんぽんさんの動画「卓球部あるある①」でも同じようなシチュエーションを描いていました。気になる方は、下記の動画内0:26~チェックしてみください。
ネットの意見
初心者相手に試合をする時、どのような対応をしているのか。ネットの意見を色々と調べてみました。「手を抜く派」「全力でやる派」、どちらの意見もありました。
また、初心者側の意見として「手を抜いて欲しい派」の意見もありました。「全力でやってほしい派」の私ですが、内容を読むと「たしかに」と納得してしまう意見でした。
手を抜く派
真面目な話卓球は経験者が初心者相手に全力出してもラリーが続かないから楽しくないしいい勝負できるように調整してるってのがある
— Κ. Φιλορ?μενο? (@kyou_cc_tkb) 2014年5月25日
卓球経験者の手を抜く派の意見。これも一つの考え方だと思います。卓球は回転が特徴で、この回転を知らないことにはレシーブもまともに返すことができません。
そのため、回転を知らない初心者が相手と全力で勝負するとあまりに一方的な展開になってしまいます。ラリーは続かないし、ほぼサーブレシーブで終わってしまう。そんな試合…。
負けている方はもちろん辛いし、勝っている方も心苦しくなります。どちらにとっても苦しい内容ですよね。そこで、手を抜いて相手に点を持たせて試合をする気持ちも理解できます。
ただ、公式の試合なのか、学校の体育の中での試合なのかによっても判断は変わると思います。
全力でやる派
卓球部あるある
相手が初心者でも手加減しない。笑— みなみん (@piyopiyo_MNM) 2018年10月21日
初心者相手には手を抜く派がいる一方で、全力でやる派も存在します。相手が格上であっても、初心者であっても関係ない。常に全力でぶつかる。清々しいともいえるやり方ですよね。
全力で吹き飛ばされた初心者にとっても、格上の相手が全力で向かってきてくれたら気持ちいいのではないかと思います。逆に手を抜かれたと思ったらモヤモヤとした気持ちが残ると思います。
私は手を抜かれてモヤッとした経験があるので、全力でやる派です。そして、格上には全力でやってもらいたい派です。
手を抜いてほしい派
初心者相手にわけわからん回転かけたサーブ打ってくる卓球経験者はなんなんです?返せないから試合にならんのだけど。
— ゆうか (@ITF17_yuka) 2018年11月6日
最後に手を抜いてほしい派の意見。卓球上級者に全力を出されると、初心者は軽くひねられてしまいます。1点を取るだけでも至難の技。試合中に「もうやめてー」となる気持ちも分かります。
卓球という競技は、それほど経験者と初心者の差が開きやすい競技だと思います。上記の書き込み以外にも、「手を抜いてほしい派」の意見は多く投稿されていました。
初心者側の目的が「卓球の上達」なのか、「楽しむこと」なのかで意見は変わるんだと思います。
もし仮に温泉卓球で恋人と試合している状況であれば、恋人との関係がギクシャクする可能性すらありますね。
まとめ
初心者を相手に試合する時について、記事をまとめてきました。最後にまとめを書きます。私の結論は…。
勝敗を決めることが目的の試合では、全力でやるべきだと思います。ただし、遊びが目的なのであれば、手を抜くべき状況もあります。
注意したいのは、遊び目的の中でも全力を出すべき状況があるということ。相手が何を求めているのかを見極める必要があると思います。卓球経験者が初心者を相手にする時には、何かと大変ですね…。
考えるのが面倒な時は、何も考えずに全力で叩き潰すのも一つの選択肢だと思います。
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