卓球ラケット既定まとめ【ルール違反例・改造加工はどこまでOK?】

卓球で使うラケットの規定をまとめてみました。「何がルール違反になるのか」「改造・加工はどこまでOKなのか」。ラケットのルールに関する疑問を解決していこうと思います。

調べた感想は、「結構厳密で厳しい…」。

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卓球ラケットの規定まとめ【何がルール違反になるのか】

J.T.T.A.A.刻印とメーカー名の表示が必要

卓球ラケットの規定として、「J.T.T.A.A.刻印」と「メーカー名」の二つがラケットに表示されている必要があります。

日本国内では、卓球ラケットは日本卓球協会の公認制となっています。そのため、グリップ部分には公認ラケットの証明である「J.T.T.A.A.」という刻印が必要となります。そして、メーカー名が表示されたレンズやプレートも必要です。

「J.T.T.A.A.刻印」と「メーカー名」の二つが確認できない場合は、公式試合ではルール違反とみなされる可能性があります。例えば、グリップテープをぐるぐる巻きにしていて確認できないと指摘された場合は、テープをほどいて審判に確認させる必要があります。

ちなみに、「J.T.T.A.A.の前にメーカー名の略称がついているラケット(例:タマスJ.T.T.A.A.)」などは、ルール上問題ありません。

元卓球部の一言
この規定は、”日本国内での規定”なんですよね。世界にはこのような規定は存在しなようです。そのため、海外から取り寄せたラケットはJ.T.T.A.A.刻印がなかったりします。

そのようなラケットで試合に出場する際は、事前に大会の審判に確認をとってOKをもらえれば公式試合でも使うことができます。小さな大会で指摘されることは少ないと思いますが、事前確認しておいた方が無難ですね。

 

ラケット(ラバー)の両面の色が黒と赤になっている

ラケットの両面の色は、黒と赤になっている必要があります。「黒・黒」「赤・赤」のようなラバーの組み合わせはルール違反となります。色が違ってもルール違反です。例えば「青・黒」などもNG

ラケットの規定だけでなく、ラバーの規定にも関係してくるルールですね。

なぜ赤と黒なのか。その理由は「相手が最も判別しやすい色だから」。他の色よりも判別しやすく、明確だからこの色の組み合わせになったといいます。

元卓球部の一言
このルールが作られた経緯は、1983年の世界選手権大会までさかのぼります。その大会で無名だった選手が優勝します。その選手は、表面は黒の粘着ラバー、裏面は黒のアンチラバーを貼っていたといいます。

卓球をやっている人ならわかると思いますが、両面黒だと回転の判別がかなり分かりにくいですよね。さらに、「回転の強い粘着」と「無回転のアンチ」という性質の大きく異なるラバーを貼られたら、さらに混乱は深まります。

この出来事がきっかけになり、ラケットの両面には異なる色のラバーを貼るようにとルールが出来ました。さらに数年後には、「赤と黒」という組み合わせに限定されるようになりました。

 

ラケットに対して、ラバーは適切に貼られているか

ラケットに貼るラバーは、打球面に対して大きすぎず、小さすぎず貼る必要があります。必要以上にラケットからラバーがはみ出していたり、逆にラバーが小さすぎて、ラケットの木目が出ていたりするとルール違反となります。

ただし、2mm程度の大小は許容されています。

元卓球部の一言
ラバーを接着剤で貼って、切らずにそのまま試合に出ることはできないということですね。

 

ラケットの素材の85%以上は天然木である必要がある

逆に言えば、15%以内であればその他の素材を使用することができます

現代卓球では、ラケットに様々な素材を使用しています。カーボンや特殊なファイバーなどなど。特殊素材を使うことによって、弾み性能を上げたり、ラケットのスイートスポットを広げたりしています。

元卓球部の一言
卓球が遊びからスポーツに進化しかけていた黎明期のころには、アルミでできたラケットもあったようです。これは、今の既定においてはルール違反となりますね。

 

ラバーの厚さが接着層を含めて、最大4.0mmを越えていない

ラバーの厚みが4.0mmを越えると、ルール違反とされます。

元卓球部の一言
一般的なラバーの特厚の厚みは2.1mmほど。既定はその2倍ちかくあります。4.0mmを越えている場合は、かなり不自然に見えるはずです。

 

ラバーの表面は平坦となっている必要がある

ラバーの表面が過度にデコボコになっている場合は、ルール違反とされる場合があります。既定上では、凹凸の差は最大0.2mmまでと決められています。

元卓球部の一言
推測ですが、この規定ができた理由は「打球の変化が読めなくなるから」でしょうね。ラバーの表面がデコボコしていると、打球は予期しない方向に飛ぶことになります。これでは、ラリーが続きません。卓球のルールでは、あくまで回転や角度によって打球を変化させることが求められているようです。

 

ラバー表面の光沢が基準を越えていない

ラバー表面が過度にキラキラと光っている場合は、ルール違反となる可能性があります。既定で決められている光沢の基準は、光沢尺時計で24%以下とされています。

元卓球部の一言
一般に販売されているラバーを使っていれば、特に気にする必要のない既定です。ラバーに油などを塗って光沢を増せばルール違反となるかもしれませんが汗。

 

補助剤・有機溶剤性接着剤を使っていないか

2008年から、全面的に有機溶剤性接着剤及び補助剤を用いた後加工が禁止となりました。また、アンチ加工されたツブ高ラバーも禁止。これらを使用すると、ルール違反となります。

日本卓球協会ルール審判委員会の「大会におけるラケット検査について」のラケット検査の項目を見ると、「Enezテストで「赤ランプ」が点灯しない」とあります。

Enezテストによって、揮発性化合物が使われているかチェックすることができるそうです。

元卓球部の一言
比較的新しい規定なので、昔は「補助剤使ってた」という人も多いと思います。今では、使用することはできないので注意が必要です。噂によれば、国際大会ではいまだにラバー加工をしている選手がいるとか。各国の選手がフェアに戦うためにも、ルールの厳格化を急いでほしいですね。

 

ラバーがはがれている、一部取れていないか

ラケットに貼ったラバーがはがれていたり、一部取れたりしている場合もルール違反とされる場合があります。小さな大会だと見過ごされる可能性が高いですが、指摘される可能性はあります。

元卓球部の一言
これまで挙げてきたどのルール違反よりも現実的な既定ですよね。練習していると、たまにラバーがはがれたりしますよね。試合前には、注意したいものです。

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改造・加工のルール【どこまでやってOK?】

市販の卓球ラケットを、自分好みに改造したり、加工したりする選手は多いです。改造・加工することによって、手首の可動域が広がったり、重量を減らして打ちやすくなることがあります。

特に、ペンホルダーの人は改造・加工することが多いですね。削ったりして、自分の手にフィットするようにラケット改造を行います。

気になるのは、改造・加工のルールは存在するのか。という点。改造しすぎると、ルール違反になってしまうのではないかという点ですよね。

上記規定に合致すれば基本OK

ラケットの改造・加工は認められています。ただし、あくまで上記で説明してきたような既定に合致する範囲内での改造・加工となります。

ラケットに金属を埋め込んだりして、「ラケットの素材の85%以上は天然木である必要がある」という規定を越えれば、それはルール違反となります。

また、グリップテープを巻く場合も既定を守る必要があります。過度にキラキラしていて、光を反射するようなモノを巻いている場合はルール違反とみなされる可能性があるようです。おそらく「(ラバー表面の)光沢の基準は光沢尺時計で24%以下」という規定に引っかかるとみなされるのだと思います(実例はありません、あくまで仮定・可能性の話です)。

改造・加工をする場合は、既定の範囲内で行う必要があります。

元卓球部の一言
削る程度であれば、既定にひっかかることはそうそうないと思います。

 

審判に確認してOKが出れば、自作ラケットでも問題なし

ちなみに、改造・加工のレベルを越えて「自作ラケット」はルール上問題ないのか。自作ラケットの場合でも、公式試合に出ることのできる可能性はあります。

ただし、自作ラケットの場合は「J.T.T.A.A.刻印とメーカー名の表示が必要」という規定にひっかかります。

試合前には、大会の審判長によるチェックに合格する必要があります。審判長の事前チェックを受けて許可が出れば、自作ラケットでも試合に出ることができます。

ただし、あくまで「可能性がある」という話です。許可が出なければ、ルール違反とみなされて自作ラケットで試合に出ることはできません。無難なのは、市販の認可ラケットを使うこと。そちらの方が性能は高いはずですしね。

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【トリビア】卓球のラケットは、国際ルール上大きさの既定はない

だいぶ前に、「トリビアの泉」で、「卓球のラケットは国際ルール上どんなに大きくてもよい」というトリビアが紹介されていました。番組内では、実際に巨大ラケットを作って、福原愛選手と試合していました(1点も取れずに負けてましたが笑)。

試合に勝利した愛ちゃんは、巨大ラケット(Nittaku製作)をあげると言われて、「使ってって言われても、使わないと思います」と苦笑いで返答していました。

このトリビアは、「卓球では、大は小を兼ねてはいなかった」と締めくくって終わっています。

このトリビアのポイントとなるのは、「国際ルール上」という点。日本の規定では、「J.T.T.A.A.刻印とメーカー名の表示が必要」という規定がありますからね。(※ただ、自作ラケットも許可されればありというルールなので、国内でもありっちゃありなのかも?)

ちなみに、Youtube上には巨大ラケットを実際に作ってラリーしている動画がアップされていました。やっぱり使いにくそう(笑)。




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