ラバーのおすすめの組み合わせ例を紹介します。「回転重視」「スピード重視」「バランス重視」「初心者におすすめ」の4パターンを掲載しています。
また、ラバー選びの考え方もまとめています。どのように選ぶのか分からないという方は、考え方の参考にしてもらえればと思います。
卓球ラバー 組み合わせの考え方
弱点を補うラバーを選ぶ
一つ目の組み合わせ方は、「弱点を補うラバーを選ぶ」。自分が自覚している弱点・欠点を補うようにラバーを選ぶことで、穴をなくして全体的に強くなることができます。
自分の苦手なプレーを自覚している人は多いと思います。例えば、「バックドライブでいつもミスをする」「ツッツキが安定しない」「スマッシュで打ち抜けない」などなど。もっとざっくり言うと「威力が足りない」「回転量が足りない」「安定しない」など。
ラバーには、それぞれ特性があります。回転をかけやすいラバー、スピードの出るラバー、コントロールしやすいラバーなどなど。自分の欠点を補うような特性を持ったラバーを組み合わせる。これがラバー選びの一つ目の考え方です。
例えば、バックドライブの回転量が足りないと感じている人は、回転性能の高い「ロゼナ」を選びます。一方でフォアの威力が足りないと考えているのであれば、反発力の高い「テナジー64」を選びます。
長所を伸ばすラバーを選ぶ
二つ目の組み合わせ方は、「長所を伸ばすラバーを選ぶ」。自分の長所を伸ばすようなラバーを選ぶことで、一つの武器に特化した選手を目指すことができます。上で紹介した「弱点を補うラバー選び」とは正反対の方向性の選び方です。
自分の長所がフォアスマッシュであれば、そのスマッシュをより強化するようなスピード重視のラバーを選びます。逆に、自分の長所が回転量の多いドライブであれば、回転重視のラバーを選びます。
初心者におすすめは弱点を補う選び方、中級者以上は長所を伸ばす選び方がおすすめ
個人的な感覚としては、「長所を伸ばすラバー選び」の方が試合で勝利する可能性は高くなると思っています。
長所を伸ばすということは、自分の武器(得点力)を身につけることにつながるからです。そのため、中級者以上であれば長所を伸ばすようなラバーを選ぶことをおすすめします。
ただ、基礎技術が身についていない卓球初心者の方は「弱点を補うラバー選び」の方がおすすめです。自分の足りない技術をラバーで補ってもらう。そうすることで、打つ感覚を身につけます。
打つ感覚が身に付いたら、徐々に自分の長所を伸ばすラバー選びにシフトしていくのが良いと思います。
卓球ラバー おすすめの組み合わせ
回転重視の組み合わせ
テナジー05
■バック面
ロゼナ
回転重視の方におすすめの組み合わせは、上記の通り。フォア面には回転性能がトップクラスに高い「テナジー05」、バック面には性能のバランスが良いロゼナを組み合わせました。
フォア面
引用元:Amazon
バタフライの「テナジーシリーズ」の中でも、特に回転性能に優れているのが「テナジー05」。ボル選手をはじめ、張本智和選手、平野美宇選手もフォア面に使用しています。
スピード性能も十分あり、ドライブ主体で戦う選手におすすめできるラバーです。
バック面
引用元:Amazon
バック面に組み合わせるのは、バタフライの「ロゼナ」。使っている選手が多い人気のラバーですよね。回転量はテナジー05に劣るものの、コントロールしやすいバランスのとれたラバーです。
卓球ナビに投稿されたレビューでは、「バックハンドが安定する」「バックドライブが安定する」という声が目立っていました。
バックハンドが得意で安定して打てるという方は、「テナジー05」をバック面にも組み合わせてもいいかもしれません。
スピード重視の組み合わせ
ファスターク S-1
■バック面
ロゼナ
スピードを重視したい方におすすめの組み合わせは上記の通り。反発力が強く、攻撃性の高いラバーを組み合わせました。バック面にロゼナを選んだ理由は、スピードとコントロールのバランスがとれたラバーだったからです。
フォア面
引用元:Amazon
ニッタクの「ファスターク S-1」は、スピード性能がとにかく早いラバーです。同シリーズの「G-1」と比べても、スピード性能は高く設計されています。フォアハンドでのスピードドライブやスマッシュを武器としている人にはおすすめのラバーです。
スピード重視でもコントロールを上げたい方は、ラバーの厚さを「中」あたりにすることをおすすめします。それほど反発力の高いラバーです。コントロールに自信がある方は、厚~特厚を選んでみてください。
バック面
引用元:Amazon
またしても登場したバタフライのラバー「ロゼナ」。繰り返しになりますが、コントロール性能が良く、バランスのとれたラバーです。どんなラバーにも組み合わせやすいラバーだという評価もできます。
もちろんスピード重視のファスターク S-1にもマッチします。
バランス重視の組み合わせ
ロゼナ
■バック面
ロゼナ
バランス重視の方におすすめのラバーの組み合わせは、「ロゼナ」。上で二度も登場したラバーなので、性能面の説明は省きます。バランスのとれたラバーなので、フォアに貼ってもバックに貼っても活躍してくれます。
同じくバタフライの「ラウンデル」と迷ったのですが、やはり性能面でいえばロゼナの方が一枚上手だと思い、両面ロゼナをおすすめの組み合わせに選びました。
初心者におすすめの組み合わせ
マークV
■バック面
スレイバーFX
初心者におすすめの組み合わせは、とにかくコントロール重視。コントロール性能が高く、扱いやすいラバーを組み合わせました。
フォア面
引用元:Amazon
フォア面に組み合わせるのは、ヤサカの「マークV」。高弾性裏ラバーの代名詞ともいえるベストセラーラバーです。スピード、回転、コントロールのバランスが取れた名作ラバーです。
特にコントロール性に優れているので、基礎技術を学ぶ初心者にうってつけのラバーだといえます。私も最初の1枚はマークVを選びました。かなり使いやすかったので、おすすめの組み合わせに選出しました。
バック面
引用元:Amazon
バタフライの高弾性ラバー「スレイバーFX」。柔らかいスポンジを使用することで、コントロール性に優れたラバーに仕上がっています。
初心者のうちは、バックハンドが安定しません。そのため、安定性バツグンのスレイバーFXをバック面に組み合わせました。ちなみに、私もバック面にスレイバーFXを組み合わせていました。
誤解しないでほしいのは、「マークV」も「スレイバーFX」も初心者用の入門用ラバーというワケではありません。中級者以上でも使用者が多いラバーです。どちらも性能が高いであることは間違いありません。
トッププレイヤーの組み合わせ例
世界で活躍するトッププレイヤーのラバーの組み合わせを3例紹介します。自分の目指す選手のラバーの組み合わせを参考にするのも一つの選び方です。
以下では、水谷隼選手、張本智和選手、伊藤美誠選手の3人のラバーの組み合わせを紹介します。注意しておきたいのは、伊藤美誠選手の組み合わせはあまり参考にならないということ。
組み合わせのセオリーから外れているので、私たちにとってはあまり参考にならない組み合わせ例だといえます。「こんな組み合わせ方もあるのか…」くらいに思いながら読んでもらえればと思います。
水谷隼
引用元:オリンピック 公式Twitter
オールラウンド型
■ラケット
特注アリレートカーボンシェーク
■フォア面ラバー
テナジー・80
■バック面ラバー
テナジー・80
リオオリンピックで2枚のメダルを獲得した水谷隼選手。オールラウンド型の選手です。使用ラケットは、特注のアリレートカーボンラケット。ラバーの組み合わせは、フォア面とバック面ともに「テナジー80」です。
テナジー80は、テナジーシリーズの中でもバランスのとれたラバー。回転性能とスピード性能のどちらも優れています。以下は公式のキャッチコピーです。「『テナジー』シリーズの中でも特に回転性能とスピード性能を高い次元で兼ね備えた」。
オールラウンド型の水谷選手にとっては、バランスの取れたテナジー80が戦型にマッチしています。
張本智和
右シェーク攻撃型
■ラケット
特注ALCシェーク
■フォア面ラバー
テナジー・05
■バック面ラバー
テナジー・05
15歳にして、日本卓球界のトップに立った天才少年・張本智和選手。戦型は右シェーク攻撃型。レシーブからフリックやチキータを用いて攻める攻撃的なプレースタイルです。前陣で戦うことが多く、滅多に後ろに下がりません。フォアハンドだけでなく、バックハンドにも隙がない選手です。
ラバーの組み合わせは、両面テナジー・05。テナジーシリーズの中でも回転性能に特化したラバーです。
伊藤美誠
右シェーク裏表前陣速攻型
■ラケット
アコースティックカーボン-ST
■フォア面ラバー
ファスタークG-1
■バック面ラバー
モリストSP
リオオリンピックのメダリスト・伊藤美誠選手。日本卓球の女子選手の中でもトップクラスの実力と実績を持っています。戦型は右シェーク裏表前陣速攻型。フォア面には裏ソフトラバーのファスタークG-1。バック面には表ソフトラバーのモリストSPを組み合わせています。
伊藤美誠選手の武器といえば、みまパンチ。フォアスマッシュですね。フォア面に貼っているのは、高いスピード感を誇るファスタークG-1。
もう一つの武器は、強烈なバックハンドドライブ。バック面に貼っているのは、スピード性能の高いモリストSP。
回転のかけにくい表ソフトでドライブを打ち、回転のかけやすい裏ソフトでスマッシュを打つ。セオリーから逸脱したプレースタイルですね。私たちにはあまり参考にならない組み合わせ方ですね。
【まとめ】おすすめ組み合わせは自分で探す必要あり
卓球ラバーのおすすめ組み合わせについて紹介してきました。具体例も交えて紹介してきましたが、あくまで一例の組み合わせに過ぎません。
理想のラバーの組み合わせは、自分で探す必要があります。
というのも、プレースタイルは人それぞれですべてをセオリーに当てはめて考えることができないからです。伊藤美誠選手が良い例です。回転のかけやすい裏ソフトでスマッシュを打ち、回転のかけにくい表ソフトでドライブを打ったりしています。
卓球のセオリーから外れる組み合わせですが、実績を上げているのは事実です。その組み合わせで戦うことが、現時点での伊藤美誠選手の理想の組み合わせだったのでしょう。
伊藤美誠選手の例をみても分かるように、すべてがセオリー通りにハマるとは限りません。ベストなラバーの組み合わせは、自分で模索する必要があります。いくつものラバーを経験して、自分のプレーにマッチする理想の組み合わせに辿りつく。
それも卓球というスポーツの一つの楽しさでもあります。ぜひ色々なラバーに挑戦してもらえればと思います。
■関連記事