名実ともにトップクラスのテナジーシリーズ。トッププレイヤー御用達の高性能ラバーですが、「初心者にはおすすめできない」という声をよく耳にします。個人的にも、やはり初心者には扱いにくいラバーだというのが正直な感想です。
なぜテナジーは初心者におすすめできないのか、その理由を5つにまとめてみました。
卓球初心者にテナジーがおすすめできない5個の理由
- ①手打ちのクセがつく
- ②回転をかける感覚が身につかない
- ③寿命が短い
- ④値段が高い
- ⑤テナジーは上級者向けのラバー
①手打ちのクセがつく
卓球初心者にテナジーがおすすめできない一つ目の理由は、「手打ちのクセがつく」から。
基礎技術がまだ身についていない状態で、テナジーのようによく弾むラバーで練習すると、手だけで打つクセがついてしまいます。角度だけ合わせて入れるようになり、身体全体を使って打つ感覚を養うことができません。
手打ちのクセがつくと、上達のスピードは遅くなる
テナジーは世界で活躍するトッププレイヤーが使う高性能ラバーです。マークVやスレイバーなどの高弾性ラバーとは、弾み性能が段違いに高いです。そのため、ラケットに当てるだけでボールはぶっ飛んでいきます。
勝手に飛んでいくので、初心者がフルスイングをすると高確率でオーバーミスしてしまいます。台に入れようと意識すると、角度を合わせて打つようになります。打つというよりも、当てる感覚に近いですね。
これがいわゆる手打ちの状態です。手打ちのクセがつくと、上達のスピードは格段に落ちます。
初心者は弾みすぎないラバーがおすすめ
卓球初心者のうちは、まずは弾みすぎないラバーをおすすめします。弾まないラバーで練習することにより、自分の身体全体を使って飛ばす感覚を養うことができます。
私の場合も手打ちのクセはなかなか抜けず、身体全体を使って打つ必要があるドライブ練習がかなり難航しました。
「手打ちのクセは抜けにくい」というのは、私自身の経験談です。ちなみに高弾性ラバー(たしかマークV)を使っていても、手打ちのクセがついてしまっていました。さらに弾むテナジーを使っていたら、もっと手打ちに悩まされていたかもしれません。
②回転をかける感覚が身につかない
卓球初心者にテナジーがおすすめできない二つ目の理由は、「回転をかける感覚が身につかない」。
テナジーは高性能ラバーゆえに、普通に打つだけで勝手に回転がかかります。上級者にとってはメリットですが、まだ自分から回転をかける感覚が身についていない卓球初心者にとっては上達の妨げとなります。
テナジーは勝手に回転がかかる
上でも紹介しましたが、テナジーは高性能ラバーです。性能が高いのは弾みだけではありません。回転性能もトップクラスに高いんです。
トップシートが優秀で引っかかりが強いので、普通に打つだけで勝手に回転がかかる印象です。私も友達にラケットを借りて試打させてもらいましたが、高弾性ラバーとは打つ感覚がまるで違います。
初心者が優先すべきは、”自分で”回転をかける感覚を養うこと
卓球初心者がまず最初につまづくのは、「ボールに回転をかける」こと。自分からボールに回転をかける感覚を身につけるには、とにかく反復練習しかありません。
練習するうちに、徐々に回転をかける感覚を学んでいきます。この感覚は、卓球競技の基礎中の基礎ともいえる部分です。この感覚がなければ、上達することは難しいです。
回転をかける感覚が身についていない初心者のうちに、勝手に回転がかかるテナジーを使ってしまうと、感覚を身につける妨げになってしまいます。つまり、上達が遅くなってしまうんですね。
そういえば、テナジー05を試打させてもらった。勝手にギュンギュン回転がかかる性能に驚愕。でも、寿命が2週間と聞いて、金持ち専用ラバーだと思った。ヴェガシリーズはテナジーに似てるっていうけど、比べものにならない。
— TSF (@passionius) 2011年7月31日
③寿命が短い
卓球初心者にテナジーがおすすめできない三つ目の理由は、「寿命が短い」。
テンション系ラバーは寿命が短い
テナジーを含めたテンション系ラバーに共通していえることですが、高弾性ラバーと比べると寿命が短いです。テンション系ラバーは、トップシートに負荷(テンション)をかけて性能を上げています。負荷がかかっている分、劣化も早いんですね。
卓球ラバーにおける寿命というのは、性能の劣化です。テンション系ラバーは、高弾性ラバーに比べて性能が落ちるのが早いんです。特に性能の高いテナジーシリーズは、劣化も早く寿命も短いです。
性能の劣化を感じるのが早い
一般的な高弾性ラバーの寿命は3か月と言われています。テンション系ラバーは1~2か月。テナジーは、これよりも早く性能の劣化を感じる人が多いようです。
テナジーを使うトッププレイヤーは、数日で張り替えることも珍しくないようです。試合に勝つことが何よりも優先されるトップの選手は、性能の劣化を感じるのも早いのでしょう。
卓球初心者が最優先すべきは、試合に勝つことではなく、反復練習で基礎技術を身につけることです。寿命の短いテナジーを使うことは非効率です。張り替えるのも面倒ですしね。
ということで、例によってTwitterで「テナジー 寿命」で検索してみました。結果、やはり「短い」という声がかなり多く投稿されていました。中には、「20回くらい使うと性能の劣化を感じる」という声もありました。
テナジー05を使ってますが寿命が短いね。自分の感覚では20回ぐらい使うとラバー表面のしっとり感が無くなり、コントロールが悪くなり始めるのですが…
— 週末卓球+ (@nobu43nobu43) 2013年6月2日
④値段が高い
卓球初心者にテナジーがおすすめできない四つ目の理由は、「値段が高い」。
テナジーシリーズは、総じて値段が高いです。1枚あたり6000円を越えてきます。両面テナジーを貼るとしたら、1万円は軽く飛びます。値引き後でも1万円はくだらないでしょう。
そこに加えて、寿命が短い。2か月に一度張り替えるとして、1回の張り替えが1万円だとすると年間6万円もかかることになります。2年後には12万円、3年後には18万円…。お金がかかって仕方ないですよね。
その一方で、高弾性ラバーや比較的安価なヴェガシリーズなどは1枚3000円~4000円で購入することができます。
値段も高く、寿命が短く、技術向上の妨げにもなる。あらゆる意味で、テナジーシリーズは初心者にはおすすめできません。
⑤テナジーは上級者向けのラバー
卓球初心者にテナジーがおすすめできない五つ目の理由は、「テナジーは上級者向けのラバー」。
ここまで紹介してきたことをまとめると、「テナジーは高性能ゆえに初心者には扱いにくい」「短寿命で高価格」。
これらの意味するところは、上級者向けのラバーだということです。少なくとも中級者以上が扱うべきラバーだと思います。初心者には初心者にマッチしたラバーがあります。
無理にハイエンドのラバーを選ぶ必要はありません。自分のレベルにマッチしたラバーを選ぶことをおすすめします。偉そうに言っている私も、まだまだテナジーを使いこなすレベルにないと自覚しています。
ラバーは自分にマッチしたものを選ぶのがベスト
最適なラバーは、必ずしも高性能ラバーではありません。自分にマッチするラバーを選ぶことがベストだと思います。
技術の熟練度、戦型、クセなどは人によって様々です。そのため、一概に〇〇のラバーがいいとは言えないんですよね。卓球のラバーは自分に合ったものを自分で選んでいく必要があります。
卓球のラバーは、何百種類とあります。ここまで多い理由は、需要があるからです。ラバーの数だけ、需要があります。その中から、自分にマッチしたラバーを見つけるのも卓球の醍醐味の一つです。
もしかしたら、テナジーが自分にしっくりくるラバーである可能性も否定できません。私が上記で説明してきたことは、一般論に過ぎません。実際に自分のラケットに貼って、打ってみるまでは自分に合うかどうかは分かりません。
色々なラバーを試して、自分にマッチするものを選んでいくのが良いと思います。ただ、種類が豊富にあるので、なんの情報もなしに選ぶのは至難の業です。
そこで、本ブログの記事をラバーを選ぶ基準にしてもらえれば幸いです。最後にいくつかラバー紹介の記事を掲載しておきますね。少しでも参考になれば幸いです。
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