「サーブが入らない」。もしくは、「入らなくなった」。そんな悩みを抱えた方も多いと思います。
この記事では、「サーブが入らない時の原因と解決策」「サーブが入らなくなった時の克服事例」をまとめてみました。
少しでも参考になる部分があれば幸いです。
卓球 サーブが入らない原因と解決策
卓球のサーブが入らない場面は、主に二つあります。「試合で入らない」場面と「練習でも入らない」場面。それぞれに原因と解決策があります。
以下では、各原因ごとの解決策をまとめています。
- 試合で入らない場合|緊張
- 練習でも入らない場合|練習不足
原因①「緊張」
練習では入るのに、試合でサーブが入らない最大の原因は、「緊張するから」です。試合の緊張で手が震えて、サーブの打球も、トスすらも安定しない。そんな場面に陥った経験がある人も少なくないと思います。
「勝たないと」というプレッシャーが緊張を生み出している場合も多いでしょう。特に団体戦だとそのプレッシャーは重くなり、緊張感は増します。緊張すればするほど、サーブは入らなくなります。
緊張のやっかいなところは、分かっていても対処できないこと。「緊張するな。緊張するな。」と自分に言い聞かせても余計に緊張してしまいます。
緊張をなくすことはできないかもしれませんが、緊張をほぐすことはできます。以下では、緊張をほぐす策を7つ紹介します。自分に合った解決策が一つでも見つかれば幸いです。
- ①「ルーティンを行う」
- ②「腹式呼吸」
- ③「2分間目をつむる」
- ④「緊張を受け入れる」
- ⑤「相手も緊張しているのだと思い込む」
- ⑥「サーブのレベルを下げる」
- ⑦「とにかく試合に慣れる」
解決策①「ルーティンを行う」
ルーティンとは、「決まりきった手続きや手順、動作など」を指します。試合前に決まった動作を行うことで精神的な落ち着きを取り戻し、緊張を和らげることができます。
緊張を引き起こす要因は、「周囲がいつもと違う」こと。普段の練習と試合では、周囲の状況がまるで違います。試合相手は初対面の選手で、自分の試合を見ている観客もいる、勝てば次の試合に進めて、負ければ負け審となる…。
周囲の変化に流されるほど、自分の普段の力を出しにくくなります。雰囲気にのまれるという言い方もしますね。
そんな中、ルーティンを行うことで自分を普段の状態に少しでも近づけます。ルーティンに集中することが、自分を取り戻すきっかけになります。
トップ選手も緊張の場面では、ルーティンを取り入れています。
ラグビーの五郎丸選手は、キック前に拝むように手を合わせる動作を行います。メジャーリーグで活躍するイチロー選手は、バッターボックスに立った時に利き腕の袖をまくるような動作を行います。
卓球の試合で多くの人がやっているルーティンがあります。サーブをする前に、卓球台でボールをポンポンとバウンドさせる。これもルーティンです。無意識でやっている人も多いので、ルーティンと気づかずに実践している人も多いかもしれませんね。
解決策②「腹式呼吸」
鼻で息を吸って、口で息を吐く。腹式呼吸を行うことで、緊張を和らげることができます。これも卓球の試合に限らずに、試合前に行っているスポーツ選手は多いです。
腹式呼吸のポイントは、「短く吸い、長く吐く」こと。吸った時間の2倍の時間を使って吐くと効果的だといわれています。私の場合だと、5秒吸って10秒吐きます。
腹式呼吸を2分ほど行っていると、心が落ち着いてきます。緊張で高まった心拍数もある程度落ち着いてきます。
解決策③「2分間目をつむる」
目をつむることも、緊張を和らげることにつながります。目をつむることで、脳は休まり気持ちが落ち着いてきます。
脳で処理している情報の8割は視覚情報だといわれています。目をつむることで視覚情報をシャットアウトするだけで、脳は十分休息することができます。睡眠不足の時も、ベッドで横になった目をつむるだけで休息することが可能です。
試合前に、2分間ほど目をつむってください。たったそれだけで、万全の精神状態で試合に臨むことができます。
解決策④「緊張を受け入れる」
一番いけないことは、「緊張しちゃダメだ」と思うことです。緊張しちゃダメだと思っても緊張はしてしまいます。「ダメだ」と意識すればするほど緊張するという負のスパイラルに陥ってしまいます。
緊張をなくすことはできません。ですが、緊張を受け入れることで緊張を緩和することはできます。
緊張は誰でもあります。私たちと同じようにトップアスリートも緊張します。だからこそ、五郎丸やイチローはルーティンで精神を安定させています。スポーツをやっている限り緊張からは逃れられません。もっと言うと人間として生活している限り緊張から逃げることはできません。
緊張するのは、悪いことではありません。試合に勝ちたいから緊張しているんです。言い方を変えれば、緊張なくして勝利はあり得ません。緊張を前向きに受け入れることで、精神は良い状態へと向かっていきます。
解決策⑤「相手も緊張しているのだと思い込む」
上でも書いたように、誰でも緊張します。試合で緊張しているのは、自分だけではありません。自分と同じように、対戦相手も緊張しています。
相手も緊張しているということを意識するだけで、なんとなく気持ちが軽くなります。
解決策⑥「サーブのレベルを下げる」
緊張してサーブが入らない。そんな時はサーブのレベルを下げるというのも一つの選択肢としてありです。
難易度の高いサーブを出そうとする時ほど、緊張して手に力が入ってしまいます。「回転量多めで短くバック側にサーブを出す」という課題の多いサーブを出そうと思ってもうまく打てません。
試合でサーブミスが続いてしまうという場面では、一旦サーブの難易度を下げることをおすすめします。回転量を抑える、コースを緩くするなどなど。
卓球動画でおなじみのWRM-TVのぐっちぃさんも、サーブミスを減らす方法【卓球知恵袋】の動画内で以下のようにコメントされています。
私も緊張した時は、”切る”のをやめます
(中略)
短さだけを優先します
解決策⑦「とにかく試合に慣れる」
ざっくりとした解決策で申し訳ないのですが、一番効果のある緊張を緩和する方法です。それが、「とにかく試合に慣れる」。
繰り返しになりますが、試合で緊張してしまうのは「いつもと違う状況だから」。練習とは異なる状況だから、雰囲気ののまれていつも通りのパフォーマンスを出すことができなくなります。
解決策はとてもシンプルで、試合に慣れる。試合の経験を積めば積むほど、「いつもと違う状況」からは離れていきます。試合会場、対戦に慣れれば慣れるほど緊張しなくなっていきます。
原因②「練習不足」
試合時だけでなく、練習時にサーブが入らない原因は「練習不足」です。
初めてチャレンジするサーブや慣れないサーブをすると入らないのは当然です。解決策はとてもシンプルで、とにかく練習あるのみ。練習を重ねれば重ねるほどサーブが入らない確率は下がるはずです。
最初に結論を書いてしまいましたが、練習を含めた解決策を以下にまとめてみました。
- ①「反復練習」
- ②「アドバイスをもらう」
- ③「動画を参考にする」
解決策①「反復練習」
練習不足でサーブが入らないのであれば、とにかく反復練習あるのみ。ちょっと強引ですが、これに勝る解決策はありません。
入るようになるまでひたすらサーブ練習を続けます。大事なのは、時間ではなく期間。長期間続けて練習していると、入らないサーブも入るようになります。入るようになれば、精度は上がっていきます。
そうして、ようやく試合で使えるサーブとなります。使い古されている言葉かもしれませんが、「継続は力なり」です。
ちなみに、以下の記事ではサーブの種類を一覧でまとめています。新しくチャレンジしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
解決策②「アドバイスをもらう」
入らないサーブを入れるコツは、反復練習。ですが、一人で寡黙に練習するよりももっと効率よく上達させる方法があります。それが、「アドバイスをもらう」。
誰かに客観視してもらうことによって、フォームのずれや問題点が見つかることがあります。長年の疑問が人のアドバイスで一瞬で解決するというのはよくあることです。
解決策③「動画を参考にする」
Youtube上には、様々な卓球動画がアップされています。トップ選手の試合動画から、技術の解説動画まで様々です。それらの動画を参考にして、サーブが入らない原因を調べることもできます。
例えば、Youtubeで「卓球 サーブ 入らない」で検索すると以下のような動画が検索結果で出てきます。この記事を書くときにも参考にさせてもらいました。
その他にも、参考になる動画はいくつもあります。私が普段よく見ているYoutubeチャンネルをいくつか紹介します。
前は入ったのに今は入らなくなった…【イップスの事例まとめ】
以前はサーブが入っていたのに、ある時を境に全然入らなくなった。そんな悩みを抱えている方は多いです。単に不調だという場合もあります。ですが、長期間そんな症状が続く時には、イップス(Yips)である可能性があります。
イップスとは
イップス (yips) は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、突然自分の思い通りのプレー(動き)や意識が出来なくなる症状のことである。本来はゴルフの分野で用いられ始めた言葉だが、現在ではスポーツ全般で使われるようになっている。
ウィキペディア
「サーブが入らなくなった」「ドライブが入らなくなった」「フォアハンドが入らなくなった」「バックハンドが入らなくなった」などなど。イップスによって、ある動作が正常に行えなくなる事例は多々あります。
試合だけできなくなる、練習も試合もできなくなるなど、支障が出る場面も様々のようです。イップスによって、選手生命を絶たれた方も存在します。
卓球だけでなく、あらゆるスポーツでイップスは起こりえます。突発的に引きおこるので、今日突然打てなくなるかもしれません。スポーツをする人にとっては、本当に恐ろしい症状です。
ネット上では、様々な克服方法が掲載されています。ですが、万人に当てはまる明確な答えは存在しません。
以下では、イップスに陥った時のために、そして今現在イップスに悩んでいる方に向けて事例を集めてみました。
イップスで引退を余儀なくなれた事例
引用元:卓球王国BLOG 怪童と呼ばれた男 竜介のドラゴンチキータ
元日本代表の卓球選手・坂本竜介さんがブログでイップスであったことを語っています。選手をやめた最大の理由が、イップスであったとのこと。選手は引退したものの、今もなおイップスと戦い続けているようです。
坂本竜介さんの場合は、「サーブが全く出せなくなった」そうです。一番の武器であったサーブがイップスによって出せなくなった状況で5年間もイップスにあらがってきたそうです。
そして、引退。今もそのイップスは治っていないそうです。イップスによる苦しみが語られていますが、ブログの最後にはイップスに対して前向きにとらえる考え方がつづられています。
5年間イップスという現状を受け止められず普段の生活にも支障きたしました。
でもねー、最後の1年は良い意味で「諦めた」んですよ。
「俺はイップスでサーブが出せないんだ」って自分に言い聞かせました。
イップスを自分で受け入れた瞬間にサーブというものを自分の中で捨てました。
辛かったー。
でもねー、頭を使うようになりました。
「サーブが出せない状況で勝つにはレシーブとラリーを強くするしかない」って。
その結果、最後の1年は社会人になってから1番成績が良かったんです。
詳しくは、以下のブログを読んでみてください。
→卓球王国BLOG 怪童と呼ばれた男 竜介のドラゴンチキータ
骨折でイップス克服した事例【コメント欄にも注目】
引用元:卓球王国BLOG 卓球コラムニスト・伊藤条太ブログ 奇天烈!逆も~ブログ
卓球コラムニストの伊藤条太さんによるブログです。伊藤さんの先輩にあたるイップスに悩む70歳代の方が40年来のイップスを克服したという話です。
その克服方法は「あばら骨の骨折」。ブログ内では「(折れた)あばら骨に意識がいったおかげでイップスが治った」と記載されています。笑い話のようにまとめていますが、見方を変えるとイップス克服への糸口という考え方もできます。
イップスの原因は精神的なものとされています。イップスを意識すればするほど、「打てない打てない」と考えれば考えるほど、さらに打てなくなるのかもしれません。
「意識を変える」ことはイップス克服の第一歩になるのかもしれませんね。克服にまで至らなくても、坂本竜介選手のように「別の技術を強化する」という方向に意識を向けることでイップスを乗り越える方法もあります。
このブログを読んで、そう私は感じました。また、このブログは本文だけでなくコメント欄もぜひ読んでもらいたいと思います。イップスの経験談がコメント欄で語られています。
→卓球王国BLOG 卓球コラムニスト・伊藤条太ブログ 奇天烈!逆も~ブログ
2度のイップスを経験した事例
ブログを運営されているKURIBOさんのブログ記事です。「スポーツマンにとってイップスは恐怖!僕の克服方法を教えます」というタイトルでイップスの経験談を語っています。
一度イップスを経験して克服したものの、二度目のイップスに悩まされているという内容です。
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