卓球のラケットの種類をまとめてみました。各種類の長所、短所、適した戦型など特徴もまとめています。それぞれプレイ動画も掲載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
卓球ラケットは4種類
現在の卓球界にあるラケットは、大きく分けて4種類あります。※細かく分ければもっと種類はありますが、ここでは4種類とさせていただきます
- シェークハンド
- 日本式ペンホルダー(日ペン)
- 中国式ペンホルダー(中ペン)
- ハンドソウ
以下では、各ラケットの特徴をまとめていきます。それぞれ長所と短所が大きく違います。自分の目指す戦型に合ったラケットを選ぶようにしてください。
シェークハンドの特徴
引用元:Amazon
握手をするようにラケットを握ることが名前の由来。フォア面とバック面にラバーを貼って用います。フォアとバックの切り替えが早いのが大きな特徴です。現代卓球では主流となっているラケットですね。
長所
- フォアとバックの切り替えが早い
- フォアハンド並みにバックハンドが強い
- 現代卓球で主流のラケット
- 参考にできる選手が多い
フォアとバックの切り替えが早い
フォアとバックにそれぞれラバーを貼るのが特徴のシェークハンド。裏返してすぐに打球できるので、切り替えが早くなります。ピッチの速い現代卓球においては、大きな利点だといえますね。
フォアハンド並みにバックハンドが強い
フォアとバックの両面を使うので、バックハンドも打ちやすいです。バックの技術は多彩であるといえます。ボールが40mmに変更されて、ラリーが続くようになった現代卓球において、バックの技術はより必要とされています。
現代卓球で主流のラケット
繰り返しになりますが、シェークハンドは現代卓球の主流となっています。世界で活躍するトップランカーの多くもシェークハンドのラケットを用いています。これはシェークハンドが”勝てるラケット”であることを暗に示しています。
参考にできる選手が多い
多くの人がシェークハンドのラケットを使うということは、参考にできる選手が多いということです。Youtubeで世界のトップランカーの試合動画を参考にする機会も増えると思います。
また、もっと身近にもシェークハンドを使う選手は多いです。部活動の先輩などのプレーを参考にしたり、技術を教えてもらえる可能性が高いです。
短所
- 身体に近いミドルのボールに弱い
- 台上処理がしにくい(ペンと比べて)
- サーブによてっては持ちかえる必要がある
- 両面にラバーを貼るため、総重量が重くなりがち
身体に近いミドルのボールに弱い
フォア側、バック側は得意なのですが、ミドルのボールは苦手です。身体に近いミドルだと、ラケットの角度を作りにくくて対応が遅くなりがちです。
台上処理がしにくい(ペンと比べて)
シェークハンドは、ペンホルダーと比べて台上処理(前陣)が難しいという特徴を持ちます。ただ、最近では「チキータ」という新しい技術も開発されています。シェークハンドの台上処理の方法も進化を続けています。
サーブによてっては持ちかえる必要がある
サーブ時、シェークハンドはペンホルダーと比べて手首が使いにくいという短所があります。手首の可動域が制限されているので、比較的回転をかけにくいラケットだといえます。
その短所をカバーするために、ラリー時と違う持ち方に変えたりします(親指と人差し指の2本で挟むようにして持つのが一般的)。ラケットを持ちかえる必要があるのは短所だといえます。
両面にラバーを貼るため、総重量が重くなりがち
シェークハンドのラケットは、フォア面とバック面にそれぞれラバーを貼ります。そのため、ペンホルダーよりもラケットの総重量は重くなりがちです。
ただ、最近はペンホルダーも裏面にラバーを貼ったりします。重量の違いによる差は縮まっているように感じます。
グリップの種類と特徴
シェークハンドのラケットのグリップには、多くの種類が存在します。私が知る限りでも、4種類のグリップがあります。それぞれのグリップの種類と特徴をざっと紹介しますね。
- ST(ストレート)
- FL(フレア)
- AN(アナトミック)
- コニック(CO)・テナリー
ST(ストレート)
引用元:Amazon
グリップの部分がまっすぐになっているのが特徴です。打ち方によって、ラケットを持ちかえやすいという特徴もあります。水谷選手が現在使っているのもストレートタイプのグリップですね。
グリップが均等に太いので、手の小さな女性や子供にはあまりフィットしないかもしれませんね。
FL(フレア)
引用元:Amazon
グリップの先端に向かって、広がっているタイプ。曲線的なグリップのため、手になじみやすいという特徴があります。
女性や子供でも使いやすいグリップです。また、初心者の方にもおすすめできるグリップ。私も卓球を始めた時はフレアのグリップを選びました。握りやすいのは大きな利点です。※今現在でもフレアを使っています
AN(アナトミック)
引用元:Amazon
グリップが波打っているような形状になっています。手のひら全体になじむような安定感があるのが特徴です。ちょっと特殊な種類のグリップです。あまり見かけません。
アナトミックもフレアと同じく握りやすいので、女性や子供にもおすすめできます。
コニック(CO)・テナリー
引用元:Amazon
グリップ部分が斜めになっており、上記3つのグリップとは大きく違う特徴を持っています。
ラケットを握った時に自然にラケットの向きが作られます。そのため、ラケットの面が安定しないという方に向いています。ただ、細かい技術はしにくいように感じます。
私は実際の試合で見かけたことはありません。レアな種類のラケットだといえます。
主な戦型
- ドライブ主戦型
- 前陣即効型
- カット主戦型
- 異質攻守型
- オールラウンド型
ドライブ主戦型
世界で活躍する男子選手の中で主流の戦型です。その名の通り、ドライブを主な攻撃手段として用います。攻撃型の戦型だといえますね。中国の馬龍選手もドライブ主戦型ですね。
前陣即効型
女子選手の中で主流となっている戦型ですね。ドライブ主戦型とは違い、主に前陣で戦います。早いピッチのラリーが特徴的な戦型ですね。中国の劉詩ブン選手、日本の福原愛選手ともに前陣即効型です。
カット主戦型
いわゆるカットマンの戦型です。台から離れた位置で、相手のボールをひたすらカット。ひと昔前は守って粘り勝ちする戦型だといわれていました。ですが、現代卓球では粘るだけでは勝てません。隙あらば攻撃をしかけていく果敢さが求められています。
異質攻守型
台から離れずショートに対しての相手のミスでポイントをとるのが特徴です。一般的には、ラケットのバック面に粒高ラバーを貼り、それによる変化ボールやコースの緩急で相手のミスを誘発します。
数の少ない戦型なので、対策を練りにくく、個人的には苦手な戦型です。
オールラウンド型
その名の通り、オールラウンドに戦う戦型です。状況によって、前陣、中陣、後陣どこでも戦うことができます。使う技術も多彩です。日本の水谷選手や、ドイツのボル選手もオールラウンド型の戦型を用いています。
日本式ペンの特徴
引用元:Amazon
グリップ部分にコルクが使用され、大きく突起状になっているのが特徴です。親指と中指でラケットをはさむように持ち、突起部分に人差し指をかけるようにして持ちます。
日本、韓国、台湾などに日本式ペンホルダーのラケットを使う選手が多いですね。シェークハンドの合板ラケットとは違い、単板(一枚の板)から作られることが多いです。合板とは違う独特の打球感と弾みから根強い人気を持っています。
長所
- ドライブの威力が高い
- 軽い
- 台上処理がやりやすい
- サーブが打ちやすい
ドライブの威力が高い
日本式ペンホルダーの最大の武器はフォアハンド。特にフォアドライブが強烈です。日本式ペンホルダーを使う選手は、ドライブ主戦型の人が多めです。
軽い
シェークハンドのラケットと違って、表面にしかラバーを貼りません。そのため、ラケットの総重量は軽くなります。
台上処理がやりやすい
日本式ペンホルダーの特徴は手首が使いやすいこと。手首を使った細かい処理がやりやすいです。台上処理は得意です。
サーブが打ちやすい
手首が使いやすいということは、サーブも打ちやすいです。シェークハンドのようにラケットを持ちかえることなく強烈な回転をかけることができます。
短所
- バックの切り替えが難しい
- 檜単板ペンホルダーは高騰している
- 世界のトップで使う選手は皆無
バックの切り替えが難しい
日本式ペンホルダーは表面にしかラバーを貼らないので、バック技術全般が苦手です。
檜単板ペンホルダーは高騰している
価格面での短所。独特の打球感で人気を得ている檜単板ペンホルダー。ですが、国内の高品質の良い檜の減少に伴い、檜単板ペンホルダーの価格は高騰しています。Amazonでざっとみたところ現在は1万円以上からが相場になっています。
世界のトップで使う選手は皆無
日本式ペンホルダーは減少傾向にあります。90年代以降にシェークハンドが増え始め、現在では世界のトップクラスではほぼ皆無といえます。
主な戦型
- ドライブ主戦型
- 表ソフト速攻型
ドライブ主戦型
通称「ペンドラ」。フォアハンドのドライブを主力武器として戦います。日本式ペンホルダーのペンドラは日本の伝統的なスタイルだといえます。ただ、バックに弱いため現在は減少傾向にあります。
表ソフト速攻型
表ソフトラバーを貼り、スマッシュを武器として戦うのが特徴です。
打ち方動画
赤いユニフォームを着ている方が日本式ペンホルダーの使い手ですね。強烈なドライブを打ちまくっています。かなり攻撃的な戦型ということが伝わってきます。ラリーを続けるというよりは、一撃で決めにいくタイプですよね。
減少傾向にあるとはいえ、動画を見ていると、日本式ペンホルダーの可能性を感じますね
中国式ペン(中ペン)の特徴
引用元:Amazon
一見シェークハンドラケットのようですが、シェークハンドよりもグリップが短いのが特徴です。その他の形状はほぼシェークハンドと変わりません。
主に中国選手が使用していますが、他国でも愛用している選手は多いです。ラバーを両面に貼って打つ裏面打法が完成したことで、世界のトップランカーでも使用者は少なくありません。
長所
- フォア・バックの切り替えがスムーズ
- バックが打ちやすい
- 台上処理がしやすい
短所
- 日ペンと比べて威力は落ちる
- ブレードが薄いラケットが多く、スピードは遅め
日ペンと比べて威力は落ちる
フォアハンドの威力が特徴の日本式ペンホルダー(日ペン)と比べると、フォアの打球の威力は落ちます。
ブレードが薄いラケットが多く、スピードは遅め
中国式ペンは全体的に攻撃力は抑えめ。その分守りは強いです。攻守のバランスのとれたラケットだといえます。
主な戦型
- ドライブ主戦型
- 表ソフト速攻型
- 異質ショート型
ドライブ主戦型
ドライブ用ペンに裏ソフトラバーを貼り、フォアハンドを中心にプレーする戦型です。
表ソフト速攻型
表ラバーを貼り、台から離れずにボールを叩くように打つスマッシュを武器として戦う戦型です。
異質ショート型
変則的な打球で相手のミスを誘う戦型です。
打ち方動画
ハンドソウ
引用元:Twitter
シェークハンド、ペンホルダーのどちらの種類とも大きく違う形状を持つのが特徴のラケット。拳銃を握るようにして持つため、「ピストルタイプ」「ピストル型」とも呼ばれています。
かなり希少な種類のラケットです。私は試合でも練習でも見たことがありません。ハンドソウを販売しているのは、ヤサカと三維の2社だけ。現在では三維の1社のみとなっています。
私は使ったことも見たこともないため、以下はネットから集めた情報となります。正直詳しいことは知りません汗。
長所
- カーブドライブが打ちやすい
- チキータがやりやすい
短所
- フォアミドルに弱い
- シュートドライブが打てない
- 重い
- グリップの性質上、サーブに変化をつけにくい
打ち方動画
WRMのぐっちぃさんと、ハンドソウ使い(大友選手)の試合動画です。あまり見たことないプレイスタイルですね。
ラケットの選び方は?
4種類のラケットと、各特徴を紹介してきました。それぞれの種類で違う特徴があることが伝わったかと思います。
気になるのは、どのラケットを選べばいいのか。その選び方ですよね。個人的におすすめするのは、「シェークハンド」です。特に、初心者の方にはシェークハンドがおすすめです。
色々な理由がありますが、最大の理由は「現代卓球の主流だから」。現代卓球においては、シェークハンドのラケットを使っている選手がかなり多いです。参考になる選手も多いし、技術書も動画も豊富にあります。
これから基本技術を学ぼうとしている初心者の方は、まずシェークハンドから入ることをおすすめします。
ただ、一番の理想は自分の戦型に合ったラケットを選ぶということ。自分の戦型がはっきりしている中級者以上の方は、戦型に適したラケットを選ぶのが良いと思います。
シェークハンドから入って、途中からラケットを変えるというのも一つの選択肢です。
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