サーブミスの失点は精神的ダメージが大きいですよね。逆に、相手にとってはラッキー以外の何物でもありません。サーブミスをすることで、気持ちの上でかなりのハンデを負うことになります。
この記事では、サーブミスを減らしてサーブを安定させるコツをまとめてみました。
初心者に多いサーブミスの原因
- ①回転をかけることを意識しすぎて空振り
- ②サーブミスのプレッシャー
- ③ルールを意識しすぎてミス
①回転をかけることを意識しすぎて空振り
一つ目の原因は、「回転をかけることを意識しすぎ」。
初心者のサーブミスで多いのが、空振り。ラケットがボールに当たらずに空振りしてしまう場面をよく見かけます。例えラケットに触れていなくても、空振りすれば失点となります。※ボールをキャッチすればセーフ
空振りの原因は、「回転をかけることを意識しすぎ」。回転系のサーブは、ナックル(無回転)サーブに比べて空振りする危険性が高くなります。インパクトのタイミングがシビアだからです。
押し出すように打つナックルサーブとは違い、回転系サーブはボールをこするようにして打ちます。どちらが難易度が高いかは一目瞭然だと思います。
回転を強くしようとすればするほど、インパクトのタイミングはシビアになっていきます。回転をかけることに意識を集中することが、空振りにつながります。
あとは、回転を強くしても空振りしないようにひたすら練習あるのみです。
②サーブミスのプレッシャー
二つ目の原因は、「サーブミスのプレッシャー」。
テニスのサーブは2回ミスすることで失点となります。ですが、卓球のサーブは、テニスと違って1回ミスするだけで即失点となります。サーブへのプレッシャーがより高いスポーツだといえます。
さらに冒頭で書いたように、サーブミスをすれば自分の精神的なダメージは大きくなります。その一方で相手には余裕を与えてしまいます。サーブミスをきっかけに試合が傾いてしまうという場面はよくあります。
サーブミスのデメリットを知っているからこそ、サーブミス後のサーブのプレッシャーはさらに大きなものとなります。連続してサーブミスしてしまうという悪い流れにつながってしまいます。
③ルールを意識しすぎてミス
三つ目の原因は、「ルールの意識しすぎ」。
卓球のサーブには、様々な細かいルールがあります。例えば「トスは16cm以上」「フリーハンドで打球面を隠すのはNG」などなど。そのルールを意識しすぎて、サーブに集中できないことがあります。
確かに卓球のルールはとにかく多くて細かい。さらに度々改正されるから余計複雑になっています。
ルールに違反すると、警告もしくは失点となります。ルール違反による失点を意識するあまり、サーブミスをしてしまう。初心者あるあるの一つだといえそうです。
サーブミスをなくす方法【安定させる4個のコツ】
- ①トスを正しく上げる
- ②サーブのレベルを下げる
- ③まずは2種類だけ安定させる
- ④とにかく試合慣れ
①トスを綺麗に上げる
一つ目の安定化のコツは、「トスを綺麗に上げる」。
トスが不安定だとサーブは不安定になる
サーブといえば、とにかくラケットの角度や打ち方などを意識する人が多いです。たしかに、サーブのクオリティを上げるために大事なポイントであることは間違いありません。
ですが、すべての技術はトスを正しく上げることができる前提です。トスがぶれてしまえば、どんなサーブも不安定になります。逆に言えば、トスを綺麗に上げることができればサーブの安定感は増します。
トスを綺麗に上げる一つのコツ
トスを綺麗に上げる最大のコツは、「ひざを使ってトスを上げる」。手・腕だけでトスを上げると、トスは安定しません。ひざのクッションを使って上げることで、トスの安定感は増します。
WRM-TVのぐっちぃさんも、トスの上げ方の動画をアップされています。トスに自信がないという方は、ぜひチェックしてみてください。
②サーブのレベルを下げる
二つ目の安定化のコツは、「サーブのレベルを下げる」。
試合でサーブミスが多いという方は、サーブのレベルを下げるというのも一つの手段です。例えば、「回転を弱める」「コースを狙いすぎない」などなど。サーブのレベルを下げることでサーブミスを減らすことができ、サーブは安定します。
練習と同じように試合で打つのが理想だけど…
練習ではうまくできるのに、試合になるとサーブミスが目立ってしまう。そんな悩みを抱いている方も少なくないと思います。試合の緊張感とプレッシャーが、ミスを多くする原因です。
卓球に限らず、練習よりも試合の方が緊張は増します。練習時より、試合時の方が確実にハードルは上がっていることを意識することが大事です。
練習のように打つのが一番の理想ですが、中々難しいことです。その境地に至るためには、多くの場数を踏むしか方法はありません。
そんな境地に至るまでは、「サーブのレベルを下げて安定させる」というのは有効な手段の一つだと思います。
ぐっちぃさん「”切る”のをやめます」
この考え方も、ぐっちぃさんが動画で解説してくれています。動画内でぐっちぃさんは、以下のようにコメントされています。短くてよく切れている(回転量が多い)サーブが理想だと前置きしたうえでの解説となります。
私も緊張した時は、”切る”のをやめます
(中略)
短さだけを優先します
③まずは2種類だけ安定させる
三つ目の安定化のコツは、「まずは2種類だけ安定させる」。
サーブミスが続くとき、まずは2種類のサーブだけ安定させることに専念します。他にもっと多くの種類を持っていても、まずは確実に出せる2種類だけ安定させます。
2種類さえあれば、いくらでも試合を展開させることは可能です。サーブが安定しない時は、他のサーブは一旦忘れましょう。サーブに固執するほど試合の流れは悪くなる場合が多いです。
引き出しは多ければ多いほど有利だけど…
卓球のサーブは、本当に色々な種類が存在します。下回転、上回転、ナックル、横回転、逆横回転、YGサーブ、ハイトスサーブetc…。複数のサーブを組み合わせることで、レシーバーを翻弄して試合を有利に進めていきます。
引き出しは多ければ多いほど有利です。ですが、試合の緊張の中ではすべてのサーブを安定して出すことは難しいと思います。
そこで、まずは2種類だけを安定して出すことに専念することをおすすめします。もちろん、すべてのサーブが調子よくて安定している時は、引き出しのすべてを使うのが良いと思います。
ただ、サーブミスが続いて不安定な時は一番得意なサーブを2種類だけ使うようにします。
2種類をバランスよく使う
「下回転サーブ」と「ナックルサーブ」。この2種類が安定していれば、試合を進めることができます。ポイントは、同じサーブを使い続けないこと。
同じサーブを連続で使えば、相手も慣れて対応してきます。相手に慣れさせないために、2種類のサーブをバランスよく使い分けます。できれば、ショート、ロングなどコースも分けることができればよりベターです。
2種類しか使えるサーブがなくても、狙うコースを打ち分けることで相手を惑わすことは可能です。「フォア前」「バック前」「ミドル前」「フォアエンド」「ミドルエンド」「バックエンド」などを打ち分ければ、たとえ2種類でもレシーバーを慣れさせないことはできます。
④とにかく試合慣れ
四つ目の安定化のコツは、「とにかく試合慣れ」。
これを言ったら元も子もないかもしれませんが、試合でサーブを安定させるにはとにかく慣れるのが大事です。初めての試合よりも、二回目の試合の方が緊張感は少ないはずです。
緊張が少なくなれば、練習と同じフラットな気持ちでサーブを打つことができます。サーブミスが減り、安定していきます。
練習でサーブミスが多いという場合も同じことです。とにかく慣れるまで反復練習あるのみです。繰り返せば繰り返すほどサーブは安定します。
【経験談】卓球初心者でサーブがド下手だった私がサーブミスを減らせた話
サーブミスの原因と、安定化のコツを紹介してきました。最後に私の経験談を書こうと思います。
大学から卓球を始めた私は、最初のころはとにかくサーブが安定しませんでした。最初の試合では、とにかくサーブミスが多かったです。ミスが続けば続くほどプレッシャーは大きくなり、さらなるサーブミスを生む。そんな悪循環に陥っていました。
結果、試合は惨敗。相手に決められた数よりも、自分のサーブミスで失点した方が多いのではないかというくらい情けない試合でした。
この試合から、サーブに苦手意識をもってしまいました。練習ではうまくいくはずのサーブは、試合では全く決まらない。公式試合はもちろん、校内での練習試合でもサーブミスばかりでした。
そんな状態が半年以上も続き(もしかしたら1年近く?)、公式試合で一度も勝つことはできませんでした。かなり悔しい思いを抱いていたことを覚えています。
そんなサーブ下手な私でしたが、知らないうちにサーブミスが減っていきました。特に何かきっかけがあったわけではありません。本当に徐々に、日を重ねるごとに微減していきました。
特に安定化を意識して練習したワケではありません。ただ普通に練習メニューをこなしていただけ。気づいたら、サーブの苦手意識も薄れていました。そして今に至ります。
「サーブが下手」という部分は否定しきれませんが、少なくとも苦手意識はほぼありません。自らのサーブミスで失点することもそこまで多くありません。
今回「サーブミス」「サーブの安定化」というテーマで記事を書いてみて、改めて「何がサーブミスを減らしたのかな」と考えてみました。そこで出た結論が、「慣れ」でした。
試合慣れ、練習慣れをしたことで、徐々にサーブミスは減っていったように思います。上では様々な安定化のコツを書きましたが、サーブを安定させる一番の要因は、「慣れ」だと思います。
あまり苦手意識を持たずに日々練習をしていくことが、遠回りのようで実は一番の近道なのかもしれません。
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