ラケットの厚さで性能は大きく変わります。以下では、厚いラケットの特長、薄いラケットの特長をそれぞれまとめてみました。
また、「厚みの基準」や「各厚みのおすすめラケット」も紹介していきます。自分の戦型に合った厚さのラケットを選んでみてください。
卓球ラケット 厚さによる性能の違い
厚さが変わると、しなりが変わる
ラケットの厚さが変わると、”しなり”が変わります。しなりとは、「弾力があって、折れずにそり曲がること」を指します。
卓球のラケットは、スイング時の空気抵抗や、打球時の衝撃によって一時的に変形します。そしてすぐ元に戻ります。すごく大げさに言うと、ゴムのようにビヨンビヨンしているワケです。※ゴムほど大きな変化はありませんが
厚いラケットだと、しなりは弱くなります。一方で、薄いラケットだとしなりは強くなります。この”しなり”が、ラケットの性質に大きく影響してきます。
厚さの基準
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6.3mm以上
■普通の厚さのラケット
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5.8mm~6.2mm
■薄いラケット
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5.7㎜以下
上記が、卓球ラケットの厚みの基準です。自分のラケットは厚いのか、それとも薄いのかチェックしてみてください。
以下では、この基準をもとに「薄いラケットの特長」「厚いラケットの特長」をそれぞれ紹介していきます。
※厚さの基準については、WRMのラケットの厚さで性能は全然違う!【卓球知恵袋】マニアック用具動画♯3から引用させていただきました。
厚いラケットの特長
厚さが6.3mm以上だと、厚めのラケットだといえます。
スピードが出る
厚いラケットはしなりが弱く、球離れが速いのが特長です。そのため、スピードのあるボールを打ちやすくなります。特に、スマッシュ系が強化されます。
回転はかけにくい
「球離れが早い」は、「球持ちが悪い」と言い換えることもできます。厚いラケットは回転をかけにくいという性質も持ちます。ただ、回転をかけにくいということは、相手の回転の影響を受けにくいということでもあります。
重い
すごく単純な話ですが、ラケットが厚くなるほど重量は増します。筋力のあるパワー系の選手が使うと高威力の打球を打ちやすくなります。その一方で、筋力の無い選手が使うと、スイングが遅れたり、ラケットコントロールが鈍ったりします。
特長まとめ
- スピードが出る
- ブロックがしやすい
- ドライブの威力が上がる
- フリックの威力が上がる
- フリックが安定する
- スマッシュの威力が上がる
- 相手の回転の影響を受けにくい
- 弾道が直線的
- 回転をかけにくい
- 重い(扱いにくい)
- スピードがあるためコントロールしにくい
薄いラケットの特長
厚さが5.7㎜以下なら、薄いラケットの部類になります。
回転をかけやすい
打球時のしなりが強いので、球持ちが良く、回転をかけやすいのが特長です。スピードは厚いラケットに劣りますが、スピン系の技術は薄いラケットの方が一枚上手です。
コントロールしやすい
比較的スピードが抑えられているので、打球はコントロールしやすいです。そういう意味では、これから基礎技術を学ぶ初心者にもおすすめできるラケットです。
軽い
厚いラケットよりも、薄いラケットの方が重量は軽くなります。ボールの威力は出しにくくなりますが、コントロールはしやすくなります。また、筋力の無い人でも振りやすく扱いやすいといえます。
特長まとめ
- 回転をかけやすい
- コントロールしやすい
- 弾道は弧を描く
- チキータの威力が上がる
- チキータが安定する
- スピン系サーブの切れ味が上がる
- ツッツキの切れ味が上がる
- ドライブが安定する
- スピードは出にくい
- フリックの威力は低い
- ブロックが安定しない(相手の強打に負けやすい)
厚いラケットは中級者以上におすすめ
厚いラケット、薄いラケットの特長をまとめてきました。改めて特長をまとめると、こんな感じ。
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スピード性能【↑高い】
回転性能【↓低い】
コントロール性能【↓低い】
■薄いラケット
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スピード性能【↓低い】
回転性能【↑高い】
コントロール性能【↑高い】
スピードがよく出て、コントロールしにくい特長を持つ厚いラケットは、中級者~上級者向け。
回転をかけやすく、コントロールしやすい特長を持つ薄いラケットは、初心者~上級者向け。だといえます。
厚いラケットでおすすめ
引用元:Amazon
STIGA
■厚さ
7.0mm
■重量
90g
■値段
14,040円(税込)
STIGAのラケット「クリッパーウッド」。黄金世代の一角・平野美宇さんも使用しているラケットですね。木材7枚合板のラケットで、板の厚さは7.0mm。かなり厚めのラケットですね。重量も90gと重たいです。
重たく厚いラケットということもあり、打球の威力が出やすいです。カーボンの入っていない純木材ラケットで、ここまで威力が出るラケットはそう多くありません。
厚いラケットは、一般的に回転がかけにくいというデメリットを持っています。ですが、クリッパーウッドは純木材ならではの球持ちの良さも残しています。そのため、打球の強さと回転のかけやすさが共存しています。
重たいラケットなので、使用する人は選びますが、使いこなすことができればかなり強力な武器となります。
木材にしてはよく飛ぶラケットだと思います。
木材らしい扱いやすさと木材とは思えない弾みが同居する、かなりパフォーマンスの高いラケットだと言える。
攻撃面では弾きもよく、回転もかかります。弧線も出るので使いやすいです。ブロックも押されません。
板厚があついので、回転性能が少し足りないことが唯一の欠点くらいで後は万人におすすめできるラケットです。
初心者にも使えてとても使いやすいと思いましたロゼナとの相性も良くてドライブがとてもやりやすかったです
引用元:卓球ナビのレビューより
普通の厚さラケットでおすすめ
引用元:Amazon
バタフライ
■厚さ
6.0mm
■重量
86g
■値段
15,309円(税込)
バタフライの名器「インナーフォースレイヤーALC」。板の厚さは6.0mm。重量は86g。厚すぎず、薄すぎず、重くもなく軽くもなく、ちょうど良いスペックを持つラケットだといえます。そういう意味でもバランスがよい。
5枚合板にアリレートカーボンを搭載したラケットです。特殊素材入りラケットですが、クセなくバランスよく打てるのが特長です。
特殊素材をラケットの内側に入れる「インナーファイバー仕様」を採用。この仕様により、木材ラケット特有の回転のかけやすさを残しつつ、弾み性能もアップさせています。
バランスが良いものの、すべての性能が高水準で保たれているという優等生のようなラケットです。レビューを見ても、「打ちにくい技術がない」と好評の声が多く投稿されています。
欠点を挙げるとすれば、「突き抜けた性能がない」ということ。自分の戦型が定まっている人にとっては、選びにくいラケットだということができるかもしれません。
しにくい技術は何一つありません!ドライブ・スマッシュ・ツッツキ・ブロック・台上処理の全てがしやすいです。
まず、このラケットはすごくバランスが良いです。誰が使っても良いと言うと思います。ラケットのトータル値がすごく高いです!
ファイヤーフォールACから変えて打ったら硬めで飛んでいく印象がありました。
けど、飛びすぎないので、前より威力が上がった印象です。
力さえ入れなければほぼなんでも入ります。笑
初めて木材ラケットから特殊素材に変えました。しかし、特に打球感に違和感があるわけでもなく、非常に打ちやすかったです。
引用元:卓球ナビのレビューより
薄いラケットでおすすめ
引用元:Amazon
バタフライ
■厚さ
5.2mm
■重量
77g
■値段
8424円(税込)
バタフライから販売されているラケット「SKカーボン」。木材3枚合板にカーボン「TAMCA5000」が組み込まれています。軽くて扱いやすく、打球の威力良し、回転性能よしのバランスのとれたラケットです。
板の厚さは5.2mmとかなり薄い。さらに、77gというかなりの軽さです。上で紹介したクリッパーウッドと比べると、厚さ‐1.8mm、重さ‐13gという差があります。
薄いラケットの欠点である威力の弱さは、カーボン特有の弾みの良さがカバーしています。回転をかけやすく、威力もそこそこある。優れたラケットです。カーボンラケット特有のクセがないので、初めてカーボン入りラケットを使うという人にもおすすめできます。
レビューには、「しなりがあって回転がかけやすい」「スピードは弱いが、ボールの感触はいい」という声が目立ちます。
打感はかなり柔らかく感じます。大きく振るとしなりドライブのかかりが良く、カウンター気味に振るとアウターカーボンがしっかり効き弾き感が強めに出ます。
ボールの感触はかなり良いですが、スピードはやや劣ります。
カーボンラケットの弾みと、軽さを維持しつつ、回転もかなりかかるようになっています。コントロール性も高いので、万能といってもいいと思います。
カーボンなので結構軽いです。それなりに打球感も良く、スピードも速いです。初~上級者まで誰でも使えると思いますよ。
コントロールしやすいのでイメージした通りに飛んでます。練習します!
引用元:卓球ナビのレビューより
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